屋根カバー工法の基本的な知識とおススメできない3つの理由

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屋根 カバー工法について

そろそろ屋根をリフォームしなければと思い、ネットで検索すると「屋根カバー工法」という言葉を見かけるようになりました。一体、どんな工法か気になるところです。

インターネット上では「カバー工法はい凄くいい」とか「全然ダメ」または「安くて良い」など、色々と書かれています。これでは結局、どうなのかよく分かりません。

結論から申しますと、我々はこの「カバー工法」をあまりオススメしていません。その理由とは・・・

この記事では、カバー工法の基本的な知識とおススメしない3つの理由について説明させていただきます。ぜひ参考にして下さい。

 

 

目次

1. 屋根カバー工法の基本知識

2. 屋根カバー工法の費用相場

3. オススメしない3つの理由

4. カバー工法をすると保険が効かなくなる?

5. 良い業者の選び方

6. まとめ

 

1. 屋根カバー工法の基本知識

屋根カバー工法のイメージ

屋根カバー工法のイメージ

カバー工法の工事例(工場)

カバー工法の工事例(工場)

「屋根カバー工法」とはその名の通り、既存の屋根材の上に新しい屋根を葺く(カバーする)屋根の工事方法です。

現在、最も頻繁に行われる「スレート」→「ガルバリウム」のカバー工法で、その工事概要を説明させていただきます。

1-1. 工事概要

【注意事項】 私たちは決して屋根カバー工法の全てを否定しているわけではありません。この記事では、屋根カバー工法のメリットとデメリットをお話しするのみですので、お間違えのないようお願いします。

① 古いスレート屋根にそのまま新しいルーフィングを敷きます。

※ルーフィングとは、防水シートのことです。

ルーフィングを敷く作業

ルーフィングを敷く作業

 

 

② そのルーフィングにガルバリウム鋼板を載せ、古い屋根全体をカバーします。

ガルバリウムでカバー

ガルバリウムでカバー

 

 

③ 棟板金などの金具を取り付けて完了です。

屋根カバー工事の完了

屋根カバー工事の完了

 

このように大変シンプルな工程で屋根のカバー工事はできます。また、ガルバリウムは金属板なので加工しやすく、古いスレートを撤去することなく行えるので、工事期間が短いことも特徴です。

 

2. 屋根カバー工法の費用相場

  屋根カバー工法の費用目安     80万円~250万円(足場代含む)  

※一般的な大きさの屋根で計算しています。屋根の状況や敷地環境によっては上記金額の範囲外になることもあります。

 

3. オススメしない3つの理由

同業者の手前、申し上げにくいのですが・・・実は、私たちはこの屋根カバー工法をあまりおススメしていません。その理由は以下の3点です

①:既存の屋根材を撤去しないから

②:屋根がその分重くなるから

③:今後の屋根修理費用が高くなるから

その理由について、それぞれ詳しく説明させていただきます。

 

理由①:既存の屋根材を撤去しないから

古いスレートの多くには、アスベストが含まれています。そのような有毒物が頭の上にあって、安心して生活できますか?だからおススメしないのです。

また、古い屋根材(スレート)には、必ず雨水等の水分が含まれています。その水分が含まれた屋根材をそのまま新しい屋根材で覆うと、行き場を失った水分が浸食し、屋根の下地まで腐食する可能性があります。つまり最悪の場合、屋根の骨組みそのものが崩壊する可能性があるのです。

いくら表面を新しい屋根材で覆っても、それは見栄えだけの問題であって、一番大切なのは、雨風から生活を守る屋根の機能です。

さらに、アスベストの撤去となると、かなり特殊な作業になります。現在でもアスベスト処理費は高額ですが、私の予想ではその金額はさらに上昇すると思われます。

だったら、アスベスト撤去・処理を将来に先送りするカバー工法よりも、屋根修理や屋根塗装、屋根葺き替えの方が良い選択ではないでしょうか。

 

理由②:屋根が重くなるから

屋根カバー工法とは、古い既存の屋根の上に新しい屋根を敷く工法です。屋根部には二重の屋根材を設置することになります。そうなれば当然、その重量は加算されます。

住宅の屋根部が重くなればなれほど住宅の重心は高くなり、地震の際は、その揺れの影響を受けやすくなり、住宅は倒壊の危機に瀕します。だから、私たちはカバー工法をおススメしないのです。

一部の専門家は、「日本の住宅基準を満たしていれば、屋根カバー工法でも問題はない」と言っていますが、住宅の重心が低ければ低いほど耐震性アップに繋がることは間違いありません。

東北や熊本などを見ても分かりますが、これだけ地震のリスクが高い国に住んでいる以上、その危険性を小さくするする必要があります。あなたの大切なマイホームが倒壊してからでは遅いのです。

 

理由③:今後の屋根修理費用が高くなるから

屋根構造が2重になるので、雨漏りが発生した場合、原因の特定が困難になります。結果、修理費用は間違いなく高額になります。

通常の屋根構造でも雨漏り原因を特定するのは難しいものです。その上、屋根構造が2重になると雨漏りの専門業者でもお手上げになるケースが多いです。

もちろん、屋根材をすべて取り替える「屋根の葺き替え工事」を行なえば、その費用はかなり高額になります。

しかし、屋根を葺き替えないと更に困った問題が発生する可能性があります。その問題とは、屋根カバー工法をしたために「無料(0円)で屋根修理できる方法」が利用できなくなるということです。

 

4. カバー工法をすると保険が効かなくなる?

その「無料(0円)で屋根修理できる方法」とは、加入済みの火災保険を活用する方法です。

保険会社も認めている火災保険に自動付帯している「風災・雪災」補償を申請して、屋根の損害金額(修理費用)を保険でカバーする方法です。火災保険の加入者なら、誰にでもその権利はあります。詳しくは「完全保存!屋根リフォーム費用の相場とそれを無料にする方法」の記事をご覧ください。

しかし、なぜか屋根カバー工法で修理した屋根は、火災保険で屋根を修理できる可能性が極端に低くなります。私たち専門業者がそう感じているので間違いありません。

その理由を推測すると、やはり屋根構造が2重になっている点にあるのではないでしょうか。「風災・雪災」補償は、突風や強風、積雪によって損害を受けたときにその補償を受けられるものです。

カバー工法で修理すると、その後に風や雪の影響で雨漏りがしても、古い屋根材に問題があって雨漏りしている可能性を否定できません。また、カバー工法では古い既存の屋根材にネジなどで新しい屋根材を固定しますので、その穴が原因で雨漏りが発生している可能性もあります。

 

屋根の上に屋根を葺くカバー工法

屋根の上に屋根を葺くカバー工法

 

保険会社の判断ですので、私たちも詳しくは承知していませんが、もしかしたら保険会社の内部規定で、カバー工法された屋根は“要注意対象”になっているのかもしれません。

保険会社も利益を追求している法人(会社)です。会社にとって、保険金を支払わないで済む理由を探し出す事も業務の1つです。当然、これは通常の企業活動の一環ですので責めることはできません。

私が言いたいのは、このように屋根カバー工法で修理していなければ、火災保険で修理できたかもしれないものを、わざわざ火災保険で修理しにくい屋根カバー工法にする必要があるのかという事です。

 

5. 良い業者の選び方

カバー工法で屋根を修理するにしても、はたまた通常の屋根修理や屋根塗装、屋根葺き替えを行なうにしても、見積り依頼する業者は慎重に選びたいものです。

そこで、その業者が一瞬で優良業者かどうかを判断するチェック法を伝授します。それは先ほどお伝えした火災保険の「風災・雪災」補償の存在を利用するのです。

 

見積もりを依頼しようと考えている業者に、電話で以下のように問合せをしてください。

「突風で屋根が壊れたのですが、安く修理していただけますか?」
※仮に風で屋根が壊れていなくても、あえてこの問合せをしてください。

この問合せで、その業者が考えていることが分かります。

 

本当にお客様のことを最優先に考えている業者なら、最初に必ず火災保険の加入有無を確認するはずです。例えば「突風で壊れたのですね。それでしたら火災保険に加入されていますか?」などの電話応対になるはずです。

もしも、火災保険については全く触れず「まずは無料で屋根を調査させてください」というような電話応対でしたら、その業者は避けたほうが無難でしょう。なぜならば、その業者は“自社の利益”を一番に考えている可能性が高いからです。

「料金が高い・安い」や「技術がある・ない」など業者を選ぶ際の基準は十人十色ですが、一番重要な基準は、お客様(あなた)の利益を最優先にしているかではないでしょうか。

お客様(あなた)の利益を最優先に行動していれば、その業者は真っ先に「火災保険への加入」を質問・提言してくるはずです。

 

6. まとめ

今回のカバー工法のメリットとデメリットに関する記事はいかがだったでしょうか。

カバー工法を最優先に考えられていた方にとっては不愉快になる記事だったかもしれませんが、私たちは決してカバー工法の全てを否定しているわけではありません。飽くまでも一業者の主張だと捉えていただき、1つの判断材料にしていただければ幸いです。

業者選びのマル秘チェック法は、全く手間や費用も掛かりませんので、まずはお試し下さい。きっとあなたの業者選びに役立つはずです。

 

 


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