漆喰(しっくい)って、何だろう?
リフォーム会社や屋根の業者から「屋根の漆喰が壊れています。」「雨漏り防止のためにも、漆喰を補修しませんか?」と言われ、どうしたものか迷っていませんか?
その業者は、我々が漆喰について知らないのをいいことに、やらなくても良い修理をしようとしているのかもしれません。「こんな時に、漆喰の修理に関する知識を持っていれば・・・」分かります、その気持ち!
この記事では屋根漆喰の補修方法と、修理価格の相場についてお話しします。ぜひご覧になって、漆喰の補修についてご理解いただけると嬉しいです。
目次
0. 漆喰(しっくい)とは
上記の写真のように、瓦と瓦の隙間を埋める白いセメントのような溶剤を漆喰(しっくい)といいます。ここが剥がれてくると、屋根の隙間から浸水し、雨漏り等が発生します。
1. 屋根の漆喰を補修する方法
漆喰が崩れると、そこから雨水が入り込み、雨漏りの原因になります。それを防ぐために、これからスタンダードな屋根漆喰の補修方法についてご説明します。
1-1. 古い漆喰を取り除く
最初に養生した後、表面の漆喰を、ヘラで丁寧に取り除きます。漆喰の後ろにある「葺き土」は残したままにします。
1-2. 葺き土を整え、湿り気を与える
葺き土とは、漆喰の下地となる土のことです。デコボコしていると漆喰が塗りにくくなるので、表面を平らにならします。そして、漆喰を馴染みやすくするため、霧吹きで湿らせます。
1-3. 漆喰を塗り込む
漆喰を隙間なく均一に塗ります。適度な量で塗るとうまくいきます。初心者は見た目をよくしたいがために、多めの漆喰を塗る傾向にありますが、盛り上がった漆喰に雨水が直に当たるので、雨漏りの原因になります。これでは本末転倒です。
1-4. 表面を整え、仕上げ
専用コテで漆喰の表面を整えていきます。この時、雨が漆喰に当たらないように考慮して(雨仕舞いといいます)、漆喰の量を調節します。乾燥すれば完了です。
2. DIYはオススメしません!
漆喰補修の作業を「漆喰を剥がして、塗るだけだろう」と思い、DIYに挑む方は、間違いなく後悔すると思います。上記の写真を見るだけなら簡単そうに見えますが、実際にやると、補修作業よりも下準備の方に圧倒的に手間が掛かるからです。
2-1. 下準備はかなり手間が掛かる
例えば「足場を組み立てる」「専用工具を準備する」「漆喰を購入する」「屋根用の靴を準備する」など、まだまだ挙げればキリがありません。
2-2. 雨漏りの危険度がアップ
さらに一般の方が、屋根に登ると瓦を踏んで割ったり、漆喰を塗りすぎて、新たな雨漏りの原因を作ってしまうことにもなりかねません。手間と時間ばかりに追われて、結局は形だけの漆喰補修になってしまいます。
新たな雨漏りが発生して、さらに高額な漆喰修理の費用を支払う状況になる可能性が大です。漆喰の作業だけは長い経験が必要です。できるだけ業者に依頼しましょう。
3. 屋根の漆喰、補修の相場
4,000円~10,000円/メートル | 合計39万円~67万円 |
24万円~42万円 /1軒 ※一般的な屋根では、漆喰は約50~55m |
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足場代:20~27万円 |
いかがでしょうか?・・・思ったよりも高額でビックリしたのではありませんか?わずか1メートルの漆喰を補修するだけで最高で10,000円程度掛かってしまいます。しかし、現実は上記の金額が相場です。
もちろん、この金額より安くしてくれる会社もあるでしょう。しかし、手抜き工事を行う業者である可能性が高く、アルバイト職人によるいい加減な補修工事が考えられます。
丁寧に屋根の漆喰修理をしようと考えるなら、それなりの修理費用を払う必要があります。その理由については、次の項目で説明させていただきます。
4. 屋根漆喰の補修費用が高額な2つの理由
漆喰の補修費用が高額になる理由は、主に以下の2つが考えられます。
4-1. 職人の人件費
住宅関連の職人はある程度いますが、屋根に登れる職人となると極端にその数は減少します。まして現在は、東北の復興事業と熊本大地震、東京オリンピックの特需でインフラの整備がバブっており、一般住宅に従事できる職人はさらに減少傾向になっています。つまり、需要と供給のバランスが崩れ、人件費が年々、上昇しているのです。
さらに、漆喰の修理など、屋根の上での作業には、屋根の知識と作業経験が必要です。しっかりとした作業ができる職人になるには、短くても3年、できれば5年以上の経験を必要とします。職人を育てる期間に掛かる費用も、人件費を上昇させる要因となっています。
4-2. 足場代に掛かる費用
足場に掛かる費用は見落とされがちですが、2階にある漆喰を修理するには、足場は絶対に必要だといって良いでしょう。労働安全衛生規則の第518条に、2m以上の高さで作業を行う時には、足場の設置が義務付けられています。
この足場に掛かる費用は、一般住宅では約20万~27万円ほど掛かるのが相場です。その費用は、漆喰の修理費用に加算されます。足場費用については「足場は本当に必要なのか?その費用(料金)と相場の実情」で詳しくお話ししています。
5. 漆喰の補修費用を完全無料の0円にする方法
しかし、ここであなたに朗報です!
既に、あなたの家が火災保険に加入しているのなら、漆喰を補修する費用を完全無料の0円にできる可能性が大です。
その理由は火災保険の「風災補償」にあります。風災補償とは、「強い風」によって自宅が被害を受けた場合、その修理費用を保険会社が代わりに支払ってくれる制度のことをいいます。
一般的に、漆喰の剥がれや崩れは、経年劣化によるものだと思われがちですが、実は違います。ほとんどの場合が、経年劣化ではなく、「風」や「雨」、「雪」の影響によって漆喰は傷んでいくのです。
「地震」の場合は、地震保険に加入されていないと保険でカバーされませんが、「風」による被害なら、火災保険で漆喰を補修でき、「風災補償」の対象となります。
詳しくは「必見!火災保険を使って屋根修理を無料で行う方法」で詳細を説明しています。
※ こちらは超オススメの記事で、皆さんに喜んでいただいてます。
6. ゼッタイ、詐欺業者に当たらない方法
詐欺業者は次々と、新手の詐欺手口を生み出していきます。特にインターネットが発達した現在では、その方法の多様性は以前とは比べものになりません。
詐欺業者に当たらないためにも、原点に返ってシンプルな方法で彼らを避けましょう。そうです!詐欺業者を見付けるよりも、優良業者を見つけ出す作業を行うのです。
優良業者はその名の通り、正々堂々とお客様にとって利益のある工事を行なっています。また、お客様のメリットを最優先して行動しています。だから負担0円で屋根漆喰を修理する方法を必ずアドバイスしてくれます。
それを見分けるには、たった1本の電話で確認できます。その具体的な方法は「屋根修理の詐欺被害に遭わない、たった1つの確実な方法」で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
7. 代表的なQ&A3つ
ここでは、皆さんからよくいただく質問を3つお答えしますので、参考にして下さい。
7-1. 漆喰が変色したら、修理は必要ですか?
すぐには補修を行う必要はありませんが、数年後には漆喰修理が必要になるとお考え下さい。インターネットなどで、漆喰の修理ができる業者の情報を確かめておく方が良いでしょう。
7-2. 雨漏りの原因は、漆喰の崩れですか?
漆喰の崩れや剥がれが直接の原因で雨漏りになるケースは稀です。漆喰とは、雨水の経路に設置するものではないからです。しかし、漆喰の崩れが激しいケースでは、別の被害が心配になります。
その被害とは、本来雨水の経路ではない箇所に雨水が流れ込んでくるので、漆喰とは別の屋根内部に問題が発生する可能性が高いという事です。早めに業者に屋根点検をしてもらい、問題箇所を見つけ出して改善しましょう。
7-3. メンテナンスの頻度はどれくらいですか?
基本的には10年に1回くらいの頻度です。しかし、お住まいの地域の気候や施工した職人の腕次第では、その期間は変化します。年1回は、目視で屋根の漆喰をチェックしましょう。
漆喰のヒビ割れ等があれば、その都度メンテナンスをオススメします。こまめにメンテナンスを行う方が、実はかなり安価で漆喰を長持ちさせることができます。
8. まとめ
漆喰修理価格の相場について、分かっていただけたでしょうか。また補修費用がかなり高価である事にも納得していただけたのではないかと思います。
火災保険に入っておられる方は、ぜひ一度「風災補償」を使って0円で修理してください。お金を払って直しては、何のための火災保険か分かりません。
「漆喰は無料で直す」これは、もはや業界の常識です!
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