日本瓦の種類とその特徴を図解で説明します
マイホームを建てる前、屋根を日本瓦にするか、スレートなど、他の屋根材にするかでお悩みではありませんか?
瓦はどこでも見かけるけど、改めてその特徴や種類をとなると、よく分からない方が多いのではと思います。
この記事では、日本瓦の特徴やその種類などの基本的な知識について、図解入りで詳しく説明させていただきます。最後の方には、「日本瓦の修理を無料で行う方法」についてもお話ししますので、ぜひ参考にして下さい。
目次
1. 日本瓦とは
日本国内にある、粘土を材料に作った焼き物の瓦のことを「日本瓦」と呼びます。日本瓦には、そのまま窯で焼く素焼き瓦と、瓦に釉薬(うわぐすり)を塗って焼いた釉薬瓦(ゆうやくがわら)の2種類があります。
日本瓦の屋根は上の写真のように「平瓦」と「役瓦」の2種類で構成されています。また、日本瓦というと“純日本風の瓦”という印象が強いですが、最近では洋風の日本瓦も製造されています。こちらについては、後ほど詳しく説明させていただきます。
日本瓦屋根の素晴らしい外観
海外からの旅行客の方々も、日本瓦を使った屋根を見ると「私の国にもこんな屋根が欲しい」と言って、感銘を受けている様子です。
機能優先で作られる日本瓦ですが、その荘厳な佇まいや景観は、他の国にはない“侘び寂び(わびさび)”の美しさを醸し出しています。
ひいき目を抜きにして見ても、日本瓦屋根の外観は素晴らしい美しさであると思います。
2. 日本瓦の種類
ここでは、日本瓦の中でも最も使用される頻度の高い「平瓦」を例に、日本瓦の種類についてご説明します。日本瓦の種類を分ける方法は、主に2通りあります。
2-1. 日本の瓦の種類は?(3種類)
■ J形・和形
一般の方がまず頭に浮かぶ日本瓦が「J形・和形」です。JはジャパンのJを意味します。日本人にとって一番馴染み深い瓦の形ではないでしょうか。
■ F形・平形
「J形・和形」の曲面を平面、つまりフラットにしたものが「F形・平形」と呼ばれます。FはフラットのFです。和風の中にも、お洒落なイメージを持ち、洋風の雰囲気を醸し出しています。
■ S形・スパニッシュ瓦
S形・スパニッシュ瓦は、大きく波打った形の瓦です。Sはスパニッシュ、つまりはスペインを意味し、西洋風の住宅にマッチします。波目が斜いているのが特徴となります。
2-2. 表面の処理(塗装)による種類分け(2種類)
表面に釉薬を塗って窯で焼く製造方法と、全く釉薬を塗らずにそのまま焼く2つの製造方法に種類分けできます。
■ 釉薬瓦(ゆうやくがわら)
瓦の材料である粘土を瓦の形に成型して乾燥させた後、ガラス質の釉薬を塗って、窯で焼いた瓦を釉薬瓦と呼びます。表面に塗る釉薬の成分によって、表面が赤や青など、様々な色彩に変化します。
■ 無釉薬瓦(いぶし瓦)
釉薬(ゆうやく)を全く使用せずに焼き上げた瓦を「無釉薬瓦」と呼びます。その中で最もポピュラーなのが「いぶし瓦」です。いぶし瓦の“いぶし”は、煙で「いぶす」を意味しています。焼き上げる最後の工程で「いぶす」ことによって、瓦の表面に炭素の膜ができ、日本瓦独特の風合いを持つ「いぶし瓦」ができあがります。
3. 日本瓦、その主な3つの特徴
日本特有の「日本瓦」は、もちろん日本の風土に適した瓦ですが、特に以下の3つの特徴が際だっています。
3-1. 耐用年数が長い
台風や竜巻の影響で割れなければ、耐用年数は100年以上だと言われています。
3-2. 強度が高い
高温で焼かれているので、少々の衝撃で破損することはありません。
3-3. メンテナンス不要
表面は塗料処理されていませんので、再塗装などのメンテナンスは必要ありません。
3-4. 日本瓦のデメリットと重さ
他の屋根材に比べて、やや重いことです。ただし重いとはイコール頑丈であることの証でもあります。また重い瓦を屋根に乗せるからこそ、日本の家屋は頑丈に作られており、自然災害にも強いと言われています。
4. 日本瓦、その主な3つの産地
一昔前の日本は、ほとんどの屋根に「日本瓦」が使用されており、地産地消で全国で瓦が生産されていました。しかし、現在ではスレートやガルバニウムなどの屋根材が多様化してきたため、日本瓦の需要が減り、下記の3つの産地での製造が中心となってきました。
4-1.「三州瓦」
全国ナンバー1の普及率を誇るのが、三州瓦(さんしゅうがわら)です。愛知県西三河地方などで生産されています。以下8つの性能を併せ持つのが最大の特徴です。
1. 耐火性能:不燃材のため燃えにくい
2. 防水性能:陶器質のため水を通さない
3. 耐寒性能:凍結しにくいので寒い地域でも長持ちする
4. 断熱性能:断熱だけでなく遮熱機能をもち通気性能も高い
5. 耐震性能:実際の家屋にてテスト済み、高い耐震性能を持っています
6. 耐久性能:高温焼成による高い強度
7. 防音性能:瓦特有の優れた遮音性
8. 快適性能:夏は涼しく冬は暖かい
4-2.「石州瓦」
島根県の西部で生産される瓦は、石州瓦(せきしゅうがわら)と呼ばれています。約400年前から生産されている赤い日本瓦で、現在の普及率は、三州瓦に次いで第2位です。石州瓦は、以下の9つの特徴を持っています。
1. 防寒性能 :寒さに強いは石州瓦の代名詞、凍りにくく吸水率が低い
2. 防火性能 :燃えない粘土瓦を使用
3. 耐衝撃性能:JIS企画の約2倍の強度を誇る衝撃性能
4. 耐久性能 :腐食変色、酸性雨、アルカリにも強い
5. 耐震性能 :瓦屋根は耐震性能が高い屋根材
6. 耐風圧性能:ずれない組み合わせが生むはがれない瓦
7. 省エネ性能:断熱性・耐久性・自然性のバランスが生み出す省エネ性能
8. 防水性能 :あらゆるテストの結果水を通さない防水性
9. 塩害性能 :海の近くで生まれたかわらならではの塩に強い
4-3.「淡路瓦」
兵庫県淡路島で生産されている瓦を「淡路瓦」といいます。その最大の特徴は「なめ土」という日本瓦に適した粘土を使用していることです。
淡路島には「なめ土」が豊富にあるため、有名な日本瓦の産地となりました。なめ土を使うと、瓦の表面のキメが細かくなり、見た目も柔らかな仕上がりになります。淡路瓦は、以下の8つの特徴を持っています。
1. 耐震性能 :震度7の激震も耐えれる耐震性能
2. 防火性能 :1,000度以上の焼成による高い耐火性脳
3. 対劣化性能:退色、変色にも強い耐劣化性能
4. 防水性能 :ガラス質が水をはじき、除水できる防水性能
5. 高通気性能:空位が通れる道が生み出す通気・換気性能
6. 省エネ性能:耐熱、断熱性能に優れ、「夏涼しく、冬は暖かい」
7. 耐圧性能 :アンテナ工事や積雪に強い耐圧性能
8. 美観性能 :色味・質感に定評がある美しさ
5. 日本瓦のはじまりと起源
今から約2,800年前、日本瓦の起源となる瓦が中国で生産されました。当時はレンガのような瓦であったと言われています。そして約1400年前には、百済を経由して仏教と共に中国の瓦が日本に伝来しました。西暦588年には奈良県の飛鳥寺建立の際、日本瓦が大量に使用されたという記録があります。
現存する日本最古の瓦は飛鳥時代のもので、元興寺禅室に葺かれた瓦であると言われています。
6. 日本瓦の修理を完全無料の0円で行う方法
耐久性の高い日本瓦が割れる原因は、ほとんどが台風のような「強い風」によるものです。実は、強い風によって割れた日本瓦の場合、負担0円で修理することができます。もっと分かりやすく言うと、無料(実質0円)で日本瓦を修理する方法があります。それは火災保険の「風災補償」を使って修理するという方法です。
詳しくは「必見!火災保険を使って屋根修理を無料で行う方法」でお話ししていますので、ぜひご覧になって下さい。
7. 日本瓦を0円で修理する「風災補償」の確認
最後に、火災保険の「風災補償」について、1分の動画で確認をします。
また、私たちの活動をマンガにしましたので、以下をクリックして、ぜひ読んで下さい。
日本瓦の総括
日本瓦の基礎知識について、簡単にお話ししましたが、参考になったでしょうか。ご自宅の屋根にどの瓦を使用するか、より専門的なことを調べたい方は、一度、瓦専門店でお話を聞くのも良いかと思います。
自宅の瓦が割れて、雨漏りなどで困っている方は、前述した記事をご覧下さい。きっと、あなたのお力になれると思います。
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