瓦の葺き替え時に知っておくと便利な3つの屋根材
ご自宅の築年数が30年以上経っているので、屋根の劣化が目立つようになり、そろそろ瓦の葺き替えが必要か・・・と考えていませんか?
そんな時に一番気になるのが、新しい瓦に葺き替える方が良いのか、それとも今までと異なる瓦(屋根材)に葺き替えるべきかという事ではないでしょうか?
そこで、この記事では、瓦とそれ以外のオススメの屋根材、瓦の葺き替えに掛かる費用、その期間の3つについて詳しくお話しします。最後には、無料で瓦の葺き替えを行う方法についてもお話ししますので、ぜひ参考にして下さい。
目次
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1. 葺き替え時に、おススメできる3つの屋根材
瓦といえば「日本瓦」のみを連想されがちですが、実は、瓦とは屋根の上に設置する化粧材の総称です。実は「スレート」「ガルバリウム鋼板」も瓦の一部なのです。つまり、瓦=屋根葺き材ということになります。
しかし、これでは一般の方には分かり難いと思われますので、瓦とそれ以外の屋根材という形でお話しさせていただきます。
ここからは、日本瓦から葺き替えられるケースが多い「日本瓦」「スレート」「ガルバリウム鋼板」の3つの屋根材のメリットとデメリットについてご説明します。
1-1. 日本瓦
■ メリット
① 耐久性が高い
特に釉薬をかけた日本瓦自体は表面がガラス質になっているので、防水性に優れ50年~100年以上耐久性があると言われています。
② 強度が高い
粘土を高温で焼き上げているので、少々の衝撃で割れることはありません。
③ 和風住宅に合う
粘土瓦のJ形(和形)は、日本瓦とも呼ばれ、多くの日本人に好まれている屋根材です。
■ デメリット
① 葺き替え費用が高い
一般住宅では銅板瓦に次いで、2番目に葺き替え費用が高額な屋根材です。
② 漆喰はメンテナンスが必要
瓦自体はメンテナンスフリーですが、漆喰部分は毎年のチェックと定期的な補修が必要になります。
③ 耐震性が低い
日本瓦の重さは、約165kg/ 坪で、他の屋根材に比べて圧倒的に重いので、耐震性が低く、大きな地震に弱いという欠点があります。熊本大地震の時の熊本城の瓦の状態を思い出していただければご理解いただけると思います。
1-2. スレート
■ メリット
① 葺き替え費用が安い
他の屋根材との比較すると、最も安価なお値段となります。
② 色合いが豊富
最大で24色以上から選ぶことができます。ちなみに日本瓦は数色程度しか選択できません。
③ 耐震性は高い
スレートの重さは、約68kg/ 坪です。日本瓦と比べればかなり軽いですので、必然的に耐震性は高くなります。
■ デメリット
① メンテナンスが必要
約10年に1度程度、塗装などのメンテナンスが必要となります。さらに突風や強風などでスレート材が剥がれてしまい、修理が必要になることもあります。
② 強度が低い
厚みが約5mm程度しかないので、割れやすいです。野球ボール程度の衝撃でも割れることがあります。
③ 耐久性が低い
定期的に塗装などのメンテナンスをしっかり行なっていれば、耐久性は普通ですが、メンテナンスを怠ると極端に耐久性は低くなります。私たちは目に見えない屋根のメンテナンスは忘れがちですので、その結果・・・
1-3. ガルバリウム鋼板
■ メリット
① 耐久性が高い
金属なのにサビに強いのが、ガルバリウム鋼板の最大のメリットです。メーカー保証が10年~30年付いているものもあります。
② デザイン・色合いが豊富
金属製であるため、加工が容易で、和風瓦・洋風瓦・トタン風とデザインは一番豊富です。また、塗装も特殊な方法で色付けしますので、色合いも自由に選べます。
③ 葺き替え費用が安い
あまり凝ったデザインや手の込んだ断熱施工をしなければ、スレートと同じぐらいの費用で吹き替えができます。
④ 耐震性が高い
ガルバリウム鋼板の重さは、約17kg/ 坪です。とても軽量で、他の屋根材と比べても一目瞭然で耐震性が高いといえます。
⑤ メンテナンスが不要
漆喰などの消耗が激しい箇所もなく、色付けも特殊な加工が施されていますので、メンテナンスは不要です。
■ デメリット
① 強度が低い
ガルバリウム鋼板は、薄い金属板なのでちょっとした衝撃でもすぐに凹んでしまいます。
② 業者が少ない
これが最大のデメリットだと言って良いでしょう。ガルバリウム鋼板は、日本瓦やスレートと比較すると、まだ普及率は低いです。そのため、ガルバリウム鋼板の扱いに慣れた業者は多くはありません。ガルバリウム鋼板に葺き替えされる場合は、しっかりと業者を見極めましょう。
日本瓦からの葺き替えは、ガルバリウム鋼板がおススメです。その理由は「メリットの多さ」と「葺き替え費用が安い」ことです。ただ、日が浅い屋根材ですので、施工業者はガルバリウム鋼板の工事経験が多い企業を中心に選ぶべきだと思います。詳しい事は「ガルバリウム鋼板屋根は何が凄いのか?その特徴を検証!」の記事をご覧下さい。
2. 瓦の葺き替えに掛かる費用の相場(目安)
日本瓦 → 日本瓦 | 50,000円~90,000円/ 坪 |
15,200円~27,300円/ ㎡ | |
一般住宅の大きさでは、50万円~270万円 | |
日本瓦 → スレート | 40,000円~70,000円/ 坪 |
12,200円~21,300円/ ㎡ | |
一般住宅の大きさでは、40万円~210万円 | |
日本瓦 → ガルバリウム鋼板 | 50,000円~80,000円/ 坪 |
15,200円~24,300円/ ㎡ | |
一般住宅の大きさでは、50万円~240万円 |
※ 一般的な規模の住宅で計算しています。
※ 既存の屋根材の処分費用や足場費用なども含んだ総額です。
※ 屋根の勾配(傾斜)や形状によっては相場を超えることがあります。
※ ガルバリウム鋼板は、要望により追加費用が掛かることがあります。
3. よくある質問
ここでは、瓦の葺き替え工事に関する主な質問3つにお答えします。
3-1. 瓦葺き替え工事は、何日でできるの?
【答え】
日本瓦 → 日本瓦 | 工事日数:約4日~6日(職人4人) |
日本瓦 → スレート | 工事日数:約2日~4日(職人4人) |
日本瓦 → ガルバリウム鋼板 | 工事日数:約2日~4日(職人4人) |
※ 一般的な規模の住宅の場合です。雨天の場合は工事期間が延びることも考えられます。
3-2. 自宅に暮らしながら、瓦葺き替え工事はできるの?
【答え】
通常の葺き替え工事であれば、工事期間中もそのまま生活していただけます。しかし、瓦の下に敷いてある野地板まで葺き替える工事になると、天井からホコリ等が落ちてくることもありますので、1~2日程度は家を空けていただくことになるかもしれません。
3-3. 瓦葺き替え工事中に雨が降ったら、雨降りになりませんか?
【答え】
基本的には、問題ありません。なぜならば、通常は工事の初期段階でルーフィングという防水工程を行なうからです。瓦を敷いていない状態で雨が降ると、心配になるお気持ちは分かりますが、ルーフィングが守ってくれますので問題ありません。
もし、そのルーフィングの工事過程でクギ穴などが開いているようでしたら、業者側でブルーシートを被せるなどの雨漏り対策をすることになります。
4. その瓦葺き替え工事は、本当に必要ですか?
もしも、築年数が45年以下で、日本瓦の葺き替えを検討されているのでしたら、その瓦葺き替えは必要ないかもしれません。通常であれば、日本瓦は40~50年ぐらいは問題なく持ちます。その程度では、経年劣化で痛んで、瓦の葺き替え工事をしなければならない状況にはなりません。
4-1. 築45年以下あれば、瓦修理工事にすべき
築45年以下で葺き替えを検討されているということは、屋根になんらかの問題があるからではないでしょうか。例えば、漆喰が崩れているとか、瓦が一部割れているとか、雨漏りがあるなど。
それらの問題を解決するのにわざわざ、高額な瓦の葺き替えをする必要はありません。もう一度いいますが、日本瓦自体は50年~100年以上の耐久性を誇る頑丈な屋根材です。瓦葺き替えは、瓦自体が経年劣化等でその機能が果せなくなった時に行なうべき工事です。
漆喰が崩れている場合は漆喰修理の工事を…、雨漏りしている場合は雨漏り修理工事を…
そして瓦が割れている場合は瓦修理工事をおススメします。
もちろん、葺き替え工事よりも断然費用はお安く済みます。かなりおトクだと言えます。
さらに、火災保険にご加入であればおトクどころではなく、負担金0円の完全無料で修理できる可能性が大です。詳しくは次項目をご覧ください。
4-2. 瓦修理工事なら0円でできる可能性もある
漆喰の崩れや瓦の割れと、それに伴う雨漏りであれば、火災保険の「風災補償」で修理費用が補償される可能性が大です。風災補償とは、ほとんどの火災保険に自動で付いている補償の1つで、強い風で損害が生じたら、その損害金額を保険会社が支払うという補償のことです。
つまり、この「風災補償」を使えば、負担金0円の完全無料で瓦修理工事を行うことができるのです。その詳細については「屋根修理にかかる費用の相場と、それを無料で修理する方法!」で説明していますので、ぜひ参考にして下さい。
5. まとめ
瓦の葺き替えを検討されている方へ、それぞれの瓦や屋根材のメリット・デメリットについてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?
もしも、あなたの屋根の葺き替え時にお役に立てましたら、これ以上嬉しいことはありませんので、ぜひ、参考にして下さい。
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