新築を建てる時には、屋根材を選ぶ必要がありますが
屋根材の価格や特徴がある程度、分からないと選びようがありません。
もしかしたら、お考えの屋根材より、遥かに安価で優れた性能の屋根材があるかもしれません。
また、業者お奨めの屋根材を無条件に使ってはいけません。もしかしたら、在庫過剰のため、その屋根材をあなたに押しつけようとしているだけかもしれません!
それらのリスクを防ぎ、良い屋根材を選ぶためには、屋根材の価格と特徴について良く知る必要があります。今回の記事では、代表的な5種類の屋根材価格と、その特徴について一挙にお話しします。
ぜひ、あなたの屋根材選びの参考にしてください。
目次
1. 屋根材ごとの価格目安とその特徴
それでは、代表的な5種類の屋根材について、その価格と特徴をお話しします。あなたのお家にピッタリな屋根材はどれでしょうか。
※ 葺き方によって価格が大きく異なることがあります。
※ 価格は新築時に限ってのものです。
1-1. 化粧スレート
化粧スレートとは、セメントと合成繊維を混ぜ合わせ、厚さ約4.5mmに成型し、表面に塗装をした屋根材のことです。今、新築で最も普及している屋根材です。「コロニアル」や「カラーベスト」という商品名で呼ばれることもあります。
■ スレートの特徴
強度 | 割れやすい |
寿命 | 20年~25年 |
重量 | 軽い |
メンテナンス | 約10年で塗装 |
デザイン | スッキリとしていて色合い豊富 |
1-2. ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%のアルミ亜鉛合金メッキ鋼板のことです。アルミニウムの耐食性と、亜鉛の犠牲防食機能で、トタン板より4倍~6倍もサビにくいのが特徴的です。
■ ガルバリウム鋼板の特徴
強度 | へこみやすい |
寿命 | 50年以上 |
重量 | 非常に軽い |
メンテナンス | 基本的に不要 |
デザイン | 形、色ともに豊富 |
1-3. セメント瓦
セメント瓦とは、セメントと砂で構成して練ったものを加圧成形し乾燥したセメント瓦です。以前は日本瓦のタイプしかなかったのですが、今では洋瓦風や北欧風もあり、どちらでも選択できます。
■ セメント瓦の特徴
強度 | 普通 |
寿命 | 30年~40年 |
重量 | 重い |
メンテナンス | 15年~20年で塗装 |
デザイン | 和風、洋風、北欧風と選べる |
1-4. 日本瓦
日本瓦とは、昔から日本にある最もポピュラーな屋根材です。日本の風土や気候に一番適していると言われています。ただ、最近は日本瓦をしっかりと施工できる業者は減少しつつあります。
■ 日本瓦の特徴
強度 | 強い |
寿命 | 50年以上 |
重量 | 非常に重い |
メンテナンス | 随時、漆喰チェックが必要 |
デザイン | 和風 |
1-5. 銅板
銅とは、古来より屋根材として用いられた優れた材料です。銅が持つ様々な特性が日本の風土、気候に適していることは昔から知られています。しかし、近年では神社、仏閣を除く、一般住宅で見かけることは稀です。
■ 銅板屋根の特徴
強度 | へこみやすい |
寿命 | 60年以上 |
重量 | 非常に軽い |
メンテナンス | 基本的に不要 |
デザイン | 和風 |
比較一覧表
化粧スレート | ガルバリウム | セメント瓦 | 日本瓦 | 銅板 | |
価格 | 5,000円~7,000円/㎡ | 6,000円~8,000円/㎡ | 6,000円~8,000円/㎡ | 8,000円~10,000円/㎡ | 18,000円~20,000円/㎡ |
強度 | 割れやすい | へこむ | 普通 | 強い | へこむ |
寿命 | 20年~25年 | 50年以上 | 30年~40年 | 50年以上 | 60年以上 |
重量 | 軽い | 非常に軽い | 重い | 非常に重い | 非常に軽い |
メンテナンス | 約10年で塗装 | 基本不要 | 15年~20年で塗装 | 随時、漆喰チェックが必要 | 基本不要 |
デザイン | スッキリ・色合い豊富 | 形・色とも豊富 | 形・色とも豊富 | 和風 | 和風 |
2. 屋根材価格の金額幅が大きい3つの理由
上記の価格はあくまでも新築時の価格です。実は、屋根材価格は新築時と葺き替え時では大きく異なります。具体的に言うと新築時は安く、葺き替え時は高くなります。その理由は、主に以下の3つがあります。
2-1. 既存の屋根材
葺き替えの場合は、屋根上にある屋根材を撤去して処分しなければなりません。そのためには、撤去作業費や処分場までの運搬費などの処分費が、新築時より余計に掛かります。特に平成16年までのスレートはアスベストを含んでいますので、さらに処分費は高くなります。
2-2. 足場代費用
新築時には、住宅の主要な骨組みを建てるときに足場を設置します。屋根材を葺くときも、その足場をそのまま使用するので、屋根材価格としては足場費用が不要です。
しかし葺き替えの場合は、新たに足場を設置しなければならないので、足場費用が発生します。当然、その足場費用は屋根材価格に追加されます。
2-3. 職人の人件費
新築時の場合は、下地が整理された状態から屋根材を葺いていくので、基本的な屋根葺きの技術があれば比較的容易にできます。しかし葺き替え時は、下地が全く整っていないので、その調整技術や知識が必要となります。
さらに屋根の現状に合わせた臨機応変な対応力と経験が不可欠となります。現在、そのような経験を持つ腕の良い職人さんは激減していますので、人件費も高値を推移しています。
3. 屋根新設工事と屋根葺き替え工事は別業界
新築時に、屋根に屋根材を設置することを屋根新設工事といいます。一方、突風などで屋根材が破損したり、雨漏りや経年劣化で屋根を全面リフォームすることを屋根葺き替え工事といいます。
同じ屋根材を扱う業界なのですが、異なる業界と考えてください。その訳は、前項目でもお伝えしましたが、職人さんの腕の違いです。
分かりやすく身近な例で説明しますと、屋根新設工事の職人さんは買ってきた新品のプラモデルを作る人です。
屋根葺き替え工事の職人さんは、その出来上がったプラモデルを金槌で壊した後でも、きれいに作り直すことができる人。よって、その違いは歴然です。
もしも、あなたが屋根葺き替え工事を考え中で、屋根材の価格を調べているのなら、ぜひ以下の情報をご覧下さい。
葺き替え時期の自己判断方法や費用の目安、実例写真など、屋根葺き替え時のポイントを「屋根を葺き替えする前に、必ず知って欲しい5つの助言」にまとめておきました。
4. 最もおススメなのは、ガルバリウム鋼板の屋根
私一押しのおススメ屋根材は、ズバリ!「ガルバリウム鋼板」です。それは以下の5つの理由が挙げられます。
4-1. 錆びにくい
従来のトタンより4倍~6倍錆びにくいといわれています。
4-2. 耐震性が良い
耐震性がいいといわれているスレートよりも軽いです。
4-3. 色、デザインが豊富
塗装だから色は豊富です。またデザインもトタン風やスレート風、日本瓦風とバラエティーも豊富です。
4-4. メンテナンスが不要
メーカー保証は10年~30年と長期間です。
4-5. 比較的安価
安価なスレートよりも若干高めだが、メンテナンス費用などを考慮すれば費用対効果は抜群といます。
5. もしも災害で屋根の葺き替えが必要になったら・・・
その時には、迷いなく火災保険を使って、屋根を葺き替えて下さい。実質、無料(0円)で屋根を葺き替えることが可能になります。
火災保険には、「風害補償」という項目の補償制度があり、台風や竜巻等で雨漏りが起こった時には、すぐに使うことができます。
ただし、火災保険の申請にはコツや経験が必要になりますので、心配な方は「必見!火災保険を使って屋根修理を無料で行う方法」をご一読下さい。火災保険の申請に関する大切な内容の全てをお話ししています。
6. まとめ
それぞれの屋根材価格と特徴をお伝えしましたが、参考にしてもらえたでしょうか?屋根材は一度葺いたら、10年以上はお付き合いが続きます。
価格はもちろんですが、その特徴を良く考えながら、納得のいく屋根材を選んで下さい。この情報が、あなたの屋根材選びに役立てば、これほど嬉しいことはありません。
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