屋根の種類、一挙見せます8種類!
新築や屋根をリフォームする時、業者に勧められるままに屋根の種類を決めていませんか?それ以前に、屋根に種類があることすら知らなかったとか・・・
もしかしたら、あなたが何も知らないのをいい事に、業者側の都合で屋根の種類を決められていませんか?
一生、住むかもしれないご自宅ですので、屋根もあなたの要望を取り入れるべきです。
屋根に関する基本的な事を知り、屋根の「形」と「素材」の組み合わせだけでも選びましょう。
今回は、基本的な屋根の種類と屋根素材について、その特徴をお話しします。
目次
目次
1. 屋根の比較表
日本の住宅では、以下の9つの屋根種類が代表的です。その特徴に合わせて候補を挙げてみましょう。私の独断ではありますが、「×・△・○・◎・☆」の5段階でおススメ度をつけていますので、参考にしてください。
石粒付ガルバリウム | スレート | セメント | 日本瓦 | トタン | |
招き屋根 | ☆ | ◎ | ○ | ○ | △ |
切妻屋根 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
片流れ屋根 | ◎ | ◎ | ○ | △ | ○ |
寄棟屋根 | ◎ | ◎ | △ | ○ | △ |
方形屋根 | ○ | ○ | △ | △ | △ |
はかま腰屋根 | △ | △ | × | × | × |
入母屋屋根 | × | △ | △ | ◎ | × |
越屋根 | × | × | △ | ○ | × |
2. 屋根の形で選ぶ
2-1. 招き屋根
おススメ度:◎
招き屋根の形状については、切妻屋根の一方の屋根面を長くして、もう片方を短くした屋根のことを指します。
この招き屋根は、屋根面の片側が急こう配で、片方の屋根上部に壁を作りますので室内空間が高くなります。そのためロフトや天井裏のスペースを作りやすい屋根形状と言えるでしょう。
■ 特徴について
屋根の高さが段違いになっているので、雨漏りの大敵である強風や突風に強いです。雪が解けにくい北側の屋根面を狭くすれば、積雪量を減らせます。しかし、屋根と外壁との雨仕舞いをしっかり行わないと雨漏りが発生する傾向にあります。
招き屋根の詳しい特徴については「最高の屋根、招き屋根の数少ないデメリットと5つのメリットとは?」でお話ししていますので、ぜひ参考にして下さい。
2-2. 切妻屋根
おススメ度:○
切妻屋根とは、みなさんの頭にすぐ浮かんでくる、一般的な屋根のことです。漫画やイラストでは、よく四角い建物の上に三角の屋根がついたものがありますが、それが切妻屋根(弊社のロゴもそうです)です。すぐイメージできるのではないでしょうか。
屋根頂上部(大棟)から下方へ2面、野地板が伸びていき屋根の形状を構成します。
■ 特徴について
切妻屋根は、構造が単純なので比較的丈夫で雨漏りが少なくメンテナンスも安価です。しかし定期的なメンテナンスは必要になります。重点的にメンテナンスチェックする箇所は棟部・軒先・ケラバの3箇所です。
2-3. 寄棟屋根(よせむねやね)
おススメ度:△
寄棟屋根とは、屋根の最上部から4方向の屋根面が分かれている屋根の事を言います。その名の通り、屋根面を寄せて棟が切妻屋根より短くなっているのが特徴です。最近の屋根はこのタイプが多いようです。
寄棟屋根は切妻屋根と違い、大棟だけの構造ではありません。4面を合わせている性質上「下り棟」といわれる大棟(最上部)から下っていく棟が4つ存在します。
■ 特徴について
大棟と下り棟の取合い部分を「かき合い」といい、この部分はY字型の合わせになります。実はこの部分で雨漏りが発生することが多いのです。棟板金の加工に手間が掛かることもあり、切妻屋根より若干メンテナンス費用は高めになります。
2-4. 入母屋屋根(いりもややね)
おススメ度:×
入母屋とは「上部切妻」「下部寄棟」が混在した屋根の事をいいます。地方では非常に良く見かける屋根の形状ですが、注意深く観察すると街中でも入母屋屋根を見掛けます。
切妻屋根と寄棟屋根の両方の構造を併せ持ったものになりますので、その構造は複雑です。「棟が多くあること」「合わせが複雑なこと」等の理由から雨漏りの危険も多くなります。
■ 特徴について
入母屋屋根のメンテナンスは、切妻屋根・寄棟屋根と変わりません。しかし壁からの漏水が絡むと構造が複雑なため、工事はより複雑になり、金額も高額になります。
2-5. 片流れ屋根
おススメ度:○
片流れ屋根は、切妻屋根を棟に沿って真っ二つに切断した形状の屋根です。流行の今風なイメージで設計士が好んでデザインする屋根です。
ソーラーバッテリーの普及に伴い、太陽発電機を載せやすい形状から、最近の新築では大変多く見られるようになってきました。小さな敷地でも合理的に広く、お洒落な空間に暮らしたい20~30代の若い世代を中心に需要が高まっています。
■ 特徴について
複雑な屋根部分がほとんどないため工事価格が安く済みます。また ほぼ1枚屋根のため 雨漏りも少なくメンテナンスチェックも簡単です。しかし屋根が一面しかないため雨が集中してしまい、雨樋へ一気に雨水が流れ込み 溢れてしまうので、雨樋を中心に定期的なチェックが必要です。
2-6. 方形屋根(ほうぎょうやね)
おススメ度:△
方形屋根の方形は(ほうぎょう)と言います。ひとつの頂点から四方へ同じ角度で傾斜し、真上から見ると正方形をした屋根のことです。ピラミッド型屋根と説明すればイメージしやすいでしょうか。屋根面が屋根頂上中央部に集まった屋根で、屋根の下にある部屋は、ほぼ正方形である必要があります。
■ 特徴について
寄棟屋根と全く同じですので、ここでは割愛させていただきます。
詳しくは、寄棟屋根の項目をご覧下さい。
2-7. 陸屋根
おススメ度:×
陸屋根は「りくやね」もしくは「ろくやね」と言います。屋上(屋上)があるような水平な屋根の事を指します。デザインの観点からや住宅メーカーの供給方法により、最近では一般住宅で施工数が僅かに増加しているようです。
豪雪地方では落雪事故防止のため、鉄筋コンクリート構造での陸屋根を採用する住宅が増えています。
■ 特徴について
水平な屋根なので風の影響は少なく、一見雨漏りの危険は少ないと思われがちですが、実は屋根に傾斜がないことによるデメリットの方が大きいです。雨水が溜まりやすい形状だからです。
雨漏りの危険を押してまで、陸屋根の形状にする理由があれば別ですが 一般住宅の屋根としては最もお奨めできません。
2-8. はかま腰屋根
おススメ度:△
はかま腰屋根は、切妻屋根の妻側に屋根上部から少しだけ寄棟屋根のように屋根面を設けた屋根のことを指します。
はかま腰屋根という名称は、袴をはいたときの姿と似ていることから付いた名前だと言われています。別名「隅切り」や「半切妻」、「ドイツ屋根」とも呼ばれています。
■ 特徴について
建築基準法で高さ斜線制限がある場合、先端屋根の高さを低く抑えることができるのが、はかま腰屋根です。道路斜線や日影規制など法的な制約から使われる事がほとんどです。
つまり、住宅や室内の高さを低くする必要なく、同じ室内空間が実現できる構造なのです。
2-9. 越屋根
おススメ度:×
越屋根の形状については、屋根の最上部に明かり取り採光や風通しのための、屋根の上に小さな屋根組をのせた屋根を指します。小さな屋根組の外壁面にトップライトの役目として窓を取り付ける例が多いです。
簡単に言いますと、切妻屋根の頂上中央の一部を持ち上げたような屋根です。立ち上がり部分を利用して、十分に換気や採光をとれることが特徴です。
■ 特徴について
屋根の上に小さな屋根が付いている屋根なので、その構造もより複雑です。そのため新規で工事をするにしても、修理をするにしても、非常に手間がかかり技術も必要になります。
当然、その費用も高額になりますし、構造も複雑なので、雨漏りの危険性は大きくなります。
3. 屋根の素材で選ぶ
日本の住宅では、以下の5つの屋根素材が代表的です。その特徴に合わせて候補を挙げてみましょう。私の独断ですが「×・△・○・◎」の4段階でおススメ度をつけていますので、参考にしてみてください。
3-1. スレート
おススメ度:○
商品名ではコロニアル・カラーベストが有名です。現在 日本では最も多い屋根材です。
【価格】 | 5つの中でも最も安価 |
【強度】 | 風や地震の影響で非常に割れ易い |
【耐久性】 | 20年~25年でやや劣る |
【メンテナンス】 | 10年程度で塗装や棟板金交換が必要 |
【デメリット】 | 頻繁なチェックと定期的なメンテナンスが必要 |
3-2. 日本瓦
おススメ度:△
日本に古くから伝わる伝統的な屋根材です。街中ではあまり見られませんが、地方では、まだまだ多くの日本瓦の住宅があります。
【価格】 | 5つの中でも最も高価 |
【強度】 | 厚みがあるがので比較的強いが、陶器や素焼きなので割れることもある |
【耐久性】 | 50年~100年で非常に優れている |
【メンテナンス】 | 漆器部分にはメンテナンスが必要だが、日本瓦自体には不要 |
【デメリット】 | 日本瓦自体が重いので、屋根が重くなり地震対策には不向き |
3-3. トタン
おススメ度:×
比較的古い建物や住宅に多く見られます。別名、瓦棒ともいいます。サビが出やすい屋根材として知られています。
【価格】 | スレートの次に安価 |
【強度】 | サビが出ると強度が一気に下がる |
【耐久性】 | 10年~20年で非常に劣る |
【メンテナンス】 | 7年~10年で補修と塗装が必要 |
【デメリット】 | 雨音がすることと、頻繁にメンテナンスが必要なこと |
3-4. セメント瓦
おススメ度:△
外見は日本瓦に似ているものが多いが、セメント加工ができて、塗装も可能。洋風ではモニエル瓦が有名。日本瓦より軽くて、価格も安く、耐久性もある。
【価格】 | 日本瓦の次に高額 |
【強度】 | セメントなので比較的強度はあるが、比較的割れ易い |
【耐久性】 | 30年~40年である程度よい |
【メンテナンス】 | 15年~20年で塗装が必要 |
【デメリット】 | 重量があり、地震対策として不向きで、塗装が剥げやすい |
3-5. 石粒付ガルバリウム
おススメ度:◎
ガルバリウム鋼板に石の粒を吹き付けた屋根材になります。軽さ、値段、耐久性全ての面で優れており、今最も注目を浴びている屋根材です。
【価格】 | スレートより高価だが、高機能 |
【強度】 | 金属なので割れない |
【耐久性】 | 30年~50年でトタンと比べて相当サビにくい |
【メンテナンス】 | 基本的にメンテナンスは不要 |
【デメリット】 | 新しい屋根材なので施工時技術・施工不良の懸念がある |
4. おすすめの組み合わせ
第1位 石粒付ガルバリウム鋼板の招き屋根
おススメ1位の理由
① 招き屋根は、風に強い形をしているから。
② ガルバリウム鋼板は錆びにくく、非常に軽量で強いから。
③ 石粒を付けることで、金属特有の雨音を上手に抑える機能が生じるから。
※ただし、屋根と外壁の接合部分の雨仕舞いだけは 耳が痛くなるほど施工業者にしっかりと行なう様に念を押しておきましょう。
屋根の修理を無料(0円)で行う秘密の裏技
どんなに熟考して屋根種類や屋根材を選んでも「100%雨漏りしない、100%壊れない」屋根はありません。備えあれば憂いなしです。万が一、屋根が壊れたり雨漏りしたときのことを考慮して火災保険に加入されることをおススメします。
実は、火災保険には「風災・雪災・ひょう災」補償というサービスがあります。特にその中でも「風災補償」の対象範囲が思いのほか広いことは知られていません。
この「風災補償」を活用すれば、今後必要になるかもしれない屋根修理費用が保険でカバーされる可能性が非常に高いです。
もっと詳しく知りたい方は「必見!火災保険を使って屋根修理を無料で行う方法」の記事をご覧ください。
5. まとめ
この記事では、屋根種類と屋根材についての基本的な知識についてお話ししました。ご希望の屋根は見つかったでしょうか?
今回は、屋根工事を仕事としている者として、万が一のことを考え、お奨めの屋根を推薦させていただきました。
この記事が少しでもあなたの屋根選びのお役に立てれば幸いです。
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