コロニアル屋根の特徴（長所・短所）と、屋根によい理由は？

新築や屋根の葺き替えをお考えのあなた！

もちろんコロニアル屋根を検討されていると思いますが、最終的にどのような屋根にするか、もうお決まりになったでしょうか？

この記事では、これまで1000件以上の屋根修理工事に携わってきた現場の目線から、コロニアル屋根の特徴を「長所」と「短所」に分けてまとめてみました。

果たしてコロニアルはお奨めなのか、その結論についても最後の方でお話ししていますので、ぜひこの記事を参考にして下さい。

1. コロニアル屋根の長所

コロニアル屋根

コロニアル屋根とは、化粧スレート（瓦の代わりになる薄い屋根材）の商品名です。クボタ松下電工外装株式会社が販売するスレート材の商品名で「カラーベスト」と呼ばれることもあります。

化粧スレートとは、セメントと繊維、アスベストなどを混ぜ合わせ成型した、厚さ約4.5mmの板状のものに塗装を施した屋根材です。

一般的にコロニアルは、「化粧スレート」や「カラーベスト」と同じ意味です。爆発的に普及したため、化粧スレートを別名で「コロニアル」と呼ぶことが多いようです。「コロニアル＝カラーベスト＝スレート」と思っていいでしょう。

分かりやすく言うと、頭痛薬が「化粧スレート」でバファリンが「コロニアル」や「カラーベスト」だと言うことです。

現在販売されているコロニアル屋根材には、アスベストは使用されていませんが、平成12年以前に販売されたものには、アスベストが混入されていました。このアスベストが人体に害を及ぼすことが明らかになり、その後はアスベストが混入した化粧スレートは、メーカーから回収されるようになりました。

代表的な屋根材を㎡単価で比べてみました。以下のようにコロニアルが一番安いのは間違いないでしょう。

※亜鉛メッキ鋼板、いわゆるトタンは需要がないため、省きました。

コロニアルは、現在最も普及している屋根材です。そのため、多くの業者が施工を経験していますし、コロニアル塗装や破損修理なども手馴れています。

結構、この点は見逃されていますが、「最大の長所」だと言っても良いでしょう。なぜなら、屋根の耐久性やメンテナンス費用も施工経験によって大きな差が生じるからです。業者が多ければ、その分市場原理が働いて技術は向上し、費用も安くなります。

カバー工法

将来、屋根の葺き替えをされるとき、コロニアル屋根だと比較的簡単に施工できます。その理由は、古いコロニアルを撤去する手間があまりかからないからです。

コロニアルは、基本的に軽くて薄い瓦のようなものだと思ってもらえればよいです。

また、コロニアル屋根は単純な構造です。特にカバー工法を使って屋根を葺き替える場合は、古くなったコロニアルの上にそのまま新しいコロニアルを敷くことができますので、簡単に施工できます。

コロニアルの割れ

コロニアルのひび割れ

コロニアルは、セメントと繊維でできた厚さ約5mmの板状の屋根材です。そのため、人が踏めば簡単にその体重で割れてしまいますし、強い風や地震、積雪などでも割れることもあります。これは現場で何百回も屋根を観てきた経験から考えても間違いありません。

コケが生えたコロニアル

カビだらけのコロニアル

コロニアル表面はザラザラしています。そのザラザラ面に砂やホコリが付着して、そこに水分が滞留すればコケやカビが生えてきます。その傾向は、特に雨の多い地域や北側の屋根に顕著に現れます。

コケやカビが生える事によって、見栄えが悪くなるだけでなく、コロニアル表面の塗装劣化を早めることにもなります。

この問題は屋根リフォームを検討されている方限定です。平成13年以前に家を建てられたのなら、そのコロニアルにはアスベストが必ず含まれています。含有率は10％～25％です。

国の基準では一番危険度が低いレベル3なので、一般生活において問題はありませんが、コロニアルの撤去を伴う葺き替え工事を行う際には、大きなデメリットがあります。

それは国の廃棄物処理法で、撤去や廃棄物の運搬、近隣への告知義務などが厳しく義務づけられているという事です。アスベスト処理には多額の費用が掛かります。

ちなみに！新築でコロニアル屋根を検討されている場合は、そのコロニアルにはアスベストは含まれていませんのでご安心ください。

他の屋根材と比較して、長所と短所をを○×△で一覧表にしてみました。