経年劣化と風害の違いって・・・?
「引越し時、壁紙の傷みは経年劣化だと思ったのに、不動産会社からこれは破損だと言われ、納得できなかった」このような経験をされた方はいませんか?
大抵の不動産会社は、あなたからは破損だと言って敷金を召し上げ、修理もせずに次のテナントにそのまま貸しているという実態があります。
この記事では、お住まいの住宅やマイホームの経年劣化とその対応策についてお話しします。私たちが実際に体験した実話を交えてご説明しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
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1. 経年劣化とは
年月の経過に伴って、自然に色褪せる。または、一部機能が不能になり、物理的、構造的な変化により製品の品質・性能が著しく低下することを「経年劣化」と呼びます。
似たような言葉には老朽化や風化などがあります。経年劣化は、その使用者の落ち度に関係なく、必ず発生するものです。
2. 住宅の経年劣化
ここでは、住宅で最も経年劣化が顕著に表われる3つの事例を挙げてみました。
2-1. 壁紙
壁紙の太陽光による「日焼け」、日常生活による「手垢」、「冷蔵庫焼け」などは、経年劣化の典型的な例です。日当たり状況や日常生活のパターンにもよりますが、およそ2~3年で、壁紙は経年劣化の兆候が見られ始めます。
2-2. 畳
畳の日焼けも非常に多い経年劣化の1つです。早ければ、数日で畳の日焼けが始まります。また室内歩行による擦り傷も経年劣化になります。ただし、家具移動の傷やタバコ焦げなどは、経年劣化ではなく人的な不注意が原因であると見なされます。
2-3. フローリング
ワックスの剥がれや表面の傷みは、ほとんどの場合、経年劣化になります。重たい物を落とした等のアクシデントがない限り、経年劣化と考えていよいでしょう。ただし、家具移動や椅子下などの傷は、経年劣化と判断されません。
3. 経年劣化した場合の対応策
ここからは、住宅が経年劣化した場合、最良の対応策についてお話しします。
3-1. 賃貸住まいの場合
まずは、不動産会社に「これは経年劣化です」とハッキリと主張しましょう。何も言わないと、経年劣化の修繕費用は、あなたの敷金から差し引かれてしまいます。
しかし、悪質な不動産会社は必ず「何を根拠に経年劣化だと言い張るのですか?」と詰め寄ってきます。こちらも経年劣化や敷金についての知識が不足したままで、経年劣化だと主張するのは抵抗があるものです。
そこで、経年劣化や敷金に関する知識を手軽に身に付けたい方は「【敷金返還】あなたの大切な敷金を必ず返還させる全ての手順」の記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。不動産業界の裏を付いた対応策の数々が書かれています。
3-2. 持ち家の場合
■ 室内の経年劣化
水濡れによる傷みであれば、住宅総合保険で修繕できる可能性が大です。その理由は、補償内容に「漏水などによる水濡れ」が含まれているからです。インターネットで「住宅総合保険 水濡れ」と検索してみましょう。いろいろな情報が得られます。
住宅総合保険:水濡れ補償
出典:http://www.sjnk.co.jp/kinsurance/habitation/sumai/sche/leak/
■ 屋外の経年劣化
屋根の経年劣化は、加入中の火災保険で修繕できます。その理由は、火災保険の「風災補償」にあります。屋根の場合、経年劣化だと思われているものの多くは、実は「風災」による劣化なのです。「経年劣化」だけで雨漏りするケースは非常に稀です。
この「風災補償」について詳しく知りたい方は「必見!火災保険を使って、屋根修理を無料で行う方法」をご覧ください。
4. 火災保険で自宅を無料で修理する時の注意事項
4-1. 自宅の修理は火災保険を使って、無料で行う
屋外の経年劣化、そのほとんどは「風害」によるものであるとお話ししました。自宅の修理は基本的に火災保険の「風害補償」を使って、無料で行うのが原点です。そのために保険に入っているのですから。
4-2. 保険会社「不払い」の罠にハマると大変です
しかし、自動車保険や医療保険と違い、火災保険は一般の方にとって分からない謎の多い保険でもあります。保険会社は、そこにつけ込み、風害であっても経年劣化だと言い張り、保険金を出そうとしない傾向にあるのです。いわゆる「不払い」です。
信じられないかもしれませんが、日本全国で30万件以上の不払いの実態が報告されています。断っておきますが、3万件ではありません、30万件です!天文学的な数値の不払いが今、日本全国で行われているのです。
「そんなバカな!」と信じられない方は、Googleで「保険金 不払い」で検索をして下さい。WikiからPDFから、次から次に出てきます。
4-3. 社会悪、保険会社の「不払い」に倍返し!
あなたが、火災保険の申請をしようとすると、保険会社の鑑定士は「これは経年劣化ですね」と適当なことを言って、保険金の不払いを画策してきます。
ここで大切なのは、彼らは「風害」と「経年劣化」をどうやって見分けているのかということです。どう考えても、見分けようがありません。一般人が建築に関して疎いのを良いことに「経年劣化」だと適当に嘘をついて、保険金を払おうとしていないだけです。
私は100%「それは風害だ」と言い切る自信があります。また、その根拠もあります。
その理由を説明する前に、まずはその鑑定士に「経年劣化と風害による被害って、どうやって見分けているんですか?見分けるポイントは何ですか?」という質問をぶつけて下さい。まず、彼らは答えられません。プロの建築士である私ですら無理です。
それでも、その鑑定士が経年劣化であると言い張るのならば「では聞きますが、経年劣化の物件に保険を掛けたのはどうしてですか?」と鑑定士に聞いて下さい。これでチェック・メイトです!
経年劣化の物件には「火災保険」を掛けることはできません。保険会社の方から「これはかなり劣化した物件なので、保険を掛けることは無理です」とお達しがあります。保険を掛けることができたということはイコール、その物件には経年劣化の箇所はなかったことを意味しているのです。
「保険を掛けた後に劣化したんじゃありませんか?」などと、苦しい言い訳をしてくるでしょうが、それは誰が見てもただの言い掛かりでしかありません。経年劣化の箇所がある物件に、火災保険を掛けることはできないという保険法がありますので、それを言ったら保険会社側の落ち度を認めることになります。
鑑定士が引き下がらない場合には、再鑑定を依頼すればよいだけの話ですので、ご安心下さい。押し問答は必要ありません。「説明に納得がいきませんので、再鑑定をお願いします。」の一言で事は運びます。
鑑定士に都合の良い鑑定をさせないためのテクニックについては「火災保険を使って、屋根の修理を無料で行う「専門業者」とは」の記事をご覧下さい。私が鑑定士と戦い続けた数年間の経験が詰まったエッセンス満載の記事ですので参考にして下さい。
5. まとめ
住宅の経年劣化とその対応策についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?
経年劣化を見つけたら、まずは「風害」であることを疑い、火災保険を使って無料で修理することをお忘れなきようお願いします。
もう一度申しますが、私の経験上、一般の方が「経年劣化」だと思っている壊れや故障の多くは「風害」によるものです。
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