瓦桟(かわらさん)とは何なのか・・・?
屋根瓦の葺き替えやリフォーム時の見積書に「瓦桟」という見慣れない文字があり、一体「瓦桟」って何だろう・・・と思われたのではありませんか?
このページでは、瓦桟の基礎的な知識とその構造についてお話しさせていただきます。しっかりと瓦桟についてご理解いただき、リフォームなどの際に有効活用していただければ幸いです。
目次
1. 瓦桟の基礎的な知識
まず、瓦桟についての大切な基礎知識を3つほどお話しします。
1-1. 瓦桟とは
瓦桟とは、瓦の屋根を葺く時、野地板にレールのように横向きに取り付ける細長い木材のことです。瓦ではないスレート屋根やガルバリウム鋼板の屋根には、瓦桟が設置されることはありません。
1-2. 主な2つの役割
瓦桟には、瓦の重なりを等しく配分し、水の侵入を防ぐ役割が一つと、瓦がずり落ちないようにストップする2つの役割があります。両方の機能は、家屋を雨や風から守るために、必ず必要な役割です。
1-3. 瓦桟の主な材質2つ
従来の瓦桟は、木材のものがほとんどでした。しかし、木材であるがために反りや曲がりが存在したり、施工時に亀裂が入ったりすることがありました。現在では、瓦桟の品質を均一にするため、合成樹脂製の瓦桟が作られています。
合成樹脂で作られた「エコランバー瓦桟」
エコランバー瓦桟は品質が一定で、木材のように筋がないため、反りや曲がり等の変形もありません。木材と同じで、切断による加工や釘打ちもできます。また腐食することもないので、木材に比べて耐久性も向上しています。
詳細は、「エコランバー瓦桟」の説明サイトにて、紹介しています。
2. 瓦桟の基本的な構造
ここからは、瓦桟の基本的な構造についてご説明します。
2-1. 一般的な瓦桟の構造
細長い瓦桟が、どのように屋根(野地板)に取り付けられ、施工されるか説明させていただきます。写真で説明すると、瓦桟は上のような構造になっています。
2-2. 瓦桟の寸法
一般的な住宅では、瓦桟の寸法は以下のようになります。
※ 豪雪地帯や急勾配の屋根などの特殊な建物は例外とします。
縦:15mm~25mm
横:18mm~35mm
2-3. 瓦桟のピッチ
ピッチとは、瓦桟と瓦桟の間隔のことです(※上の写真を参照)。
屋根に載せる瓦の種類によって、瓦桟のピッチは異なってきますが、ピッチの一般的な基準は下記の通りです。
ピッチ:225mm~306mm
3. 換気機能が付いた瓦桟
瓦桟部分の換気性を高める方法の一つに、上の写真のように瓦桟の下に「流し桟」という、もう一つの桟を取り付ける方法があります。しかし、瓦桟を施工するために、2倍の時間と手間が掛かってしまうというデメリットがあります。
3-1. 最近では、高耐久通気樹脂の瓦桟が主流
そこで、近年注目を浴びているのが、瓦桟に最初から隙間を持たせ、換気性を高めるよう設計された「高耐久通気樹脂瓦桟」です。この瓦桟を使えば、「流し桟」を敷く手間がなくなり、換気性や耐久性を高めることができます。
詳しい内容については、「高耐久通気樹脂瓦桟」のHPで、紹介されています。
4. 瓦桟の価格相場(目安)
瓦桟の種類 | 価格相場 | 備考 |
木製瓦桟(杉) | 150円 | 長さ1820mm×幅18mm×厚18mm |
樹脂製瓦桟 | 340円 | 長さ1820mm×幅30mm×厚15mm |
5. もしも瓦桟が壊れたら・・・
もし瓦桟が破損して、瓦がズリ落ちてきたり、雨漏りが始まったら・・・その時には「火災保険を使って、屋根の修理を無料で行う「専門業者」とは」記事をご覧下さい。
瓦桟の修理をご自分の手によってDIYで行うのは、少々無理があるかもしれません。しかし、いきなり業者に修理を依頼するのも考えものです。なぜならば、瓦桟の施工には結構な料金が必要となるからです。
瓦を取り外し、その下にある瓦桟の施工を行うには、足場代から職人代からかなりの料金が発生します。
しかし、私たちの経験上、瓦桟の修理はかなりの確率で完全無料の0円で行うことが可能です。上記の記事では、業者に修理を依頼しながらも、負担金ゼロで瓦桟を修理するという、秘匿性の高い方法についてお話ししていますので、ぜひ参考にしてください。
6. まとめ
この記事では、瓦桟の基礎的な知識とその構造、換気機能が付いた瓦桟の紹介、価格相場の3つについてお話ししましたが、参考になったでしょうか?
頭の中にあるモヤモヤが解消されると、より良い屋根の施工へと大きく前進することができます。瓦桟の修理は、基本的に0円で行うのが鉄則であることを頭の片隅に置いていただければ幸いです。
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