そもそもルーフィングって何?
新築工事中、屋根のルーフィングに小さな穴や破れを見つけると心配になります。
屋根点検時にルーフィングが傷んでいて、全てを張り替えるべきか、一部補修にすべきかとお悩みではありませんか?
そんなあなたのために、この記事ではルーフィングの「目的」と「種類」、そして「価格」の3つについて、分かりやすくお話しします。
数年後に雨漏りなどで困らないためにも、ぜひ参考にしてください。
目次
1. ルーフィングとは?
瓦やスレート、ガルバリウム鋼板など屋根材の下に敷くシート状の防水建材のことをルーフィングといいます。屋根の英語訳“roof”に“ing”が付いて、ルーフィング“roofing”となります。
2. ルーフィングを敷く目的=「防水」
ルーフィングを敷く目的は、防水の一点につきます。一般の方は、瓦やスレート、ガルバリウム鋼板などの屋根材が雨水を防水していると思われていますが、それは大きな間違いです。
屋根材は、飽くまでも見栄えを良くするための化粧材でしかありません。もちろん屋根材にも防水機能はありますが、それよりもルーフィングの保護機能の方を優先的に果たしています。
2-1. 屋根材=「1次防水」
小雨程度の雨天時なら、屋根材のみで防水機能は十分に果たせます。雨水は屋根材の上を通って雨樋まで流れて排水されます。
2-2. ルーフィング=「2次防水」
※ ルーフィングに穴があると、このように雨漏りします。
台風時などの暴風雨では、どうしても屋根材の下まで雨水が浸入してきます。浸入してきた雨水はルーフィングの上を流れて雨樋で排水されます。
このように「屋根材=1次防水」「ルーフィング=2次防水」の二段構えで、屋根の防水機能は保たれています。ルーフィングは、防水の最後の砦なので、地域の気象や屋根形状に合った適切な種類選びが大切になります。
3. ルーフィングの種類について
現在、普及しているルーフィングは大きく分けて2種類あります。
3-1. アスファルト・ルーフィング
アスファルトとは、黒褐色の固体または半固体の物質です。道路のアスファルトを思い出していただければ、イメージしやすいでしょう。
このアスファルトをフェルト状の原紙に染み込ませ、その両面に鉱物質の粉末を付着させたものがアスファルト・ルーフィングです。これにより、ルーフィングは道路同様、防水機能を発揮します。
施工方法:タッカー留め
タッカー留めとは、大きなホッチキスでシート状のルーフィングを留めることをいいます。施工作業が単純なので、多くの業者が行なっている施工方法です。
3-2. 改質アスファルトルーフィング
改質アスファルトルーフィングは、別名をゴム・アスファルトルーフィングと呼びます。その名前の通り、アスファルトに合成ゴムや合成樹脂を混ぜたものが改質アスファルトルーフィングです。温度変化に強く、高温ではダレにくく、低温では割れにくい特長を持っています。
また改質アスファルトルーフィングは、一般に自己接着性があり伸びや曲げに強く、耐久性もアスファルトルーフィングと比べて高いです。
収縮性もあるので、屋根の棟部や谷部でも防水性が高く保たれ、タッカー留めや屋根材のクギ打ちの穴からの浸水も最小限に留めることができるのです。
施工方法:粘着層留め、またはタッカー留め
粘着層留めとは、改質アスファルトルーフィングの裏面が粘着層になっていて、そのまま野地板に貼り付けて留める方法です。タッカー留めと比べて、より防水性が高まります。
なぜならば、タッカー留めの場合、どうしてもホッチキスの芯により、ルーフィングに小さな穴が開いてしまいますが、粘着層留めでは全く穴が開かず、そこから水分が侵入しないからです。
注意事項
タッカー留めでも野地板を突き抜けてステープルを打つことはありませんので、防水性に支障が出ることはありません。
4. ルーフィングの価格相場
アスファルト・ルーフィング | 3,780円~5,122円(21m×1m) |
改質アスファルト・ルーフィング | 4,880円~9,660円(20m×1m) |
※ルーフィングそのものの価格です。施工費は含まれていません。
5. ルーフィング施工中に雨が降っても大丈夫なの?
ルーフィングの施工中に雨が降った場合、大丈夫なのか、気になりますよね。実は、その答えは、雨降りの程度によって異なります。
5-1. 小雨の場合
霧雨とかパラパラと降る程度の小雨であれば、ルーフィングが雨晒しになってもほぼ問題ありません。全く気にする必要はないでしょう。そもそもルーフィングは、防水資材なので、ルーフィングそのものに防水性があるので大丈夫です。
5-2. 通常の雨降りや暴風雨の場合
この場合は、ブルーシートを被せるなどの雨対策が必要です。特に暴風雨時はルーフィングの継ぎ目から雨水が入り込み、野地板を湿らす可能性が高いです。ルーフィングは基本的に水を通さない材質なので、野地板は自然乾燥することはなく、水分を保ったまま腐食する可能性が高いです。
5-3. 雨降り前にルーフィング施工する業者は要注意
天気予報の技術が発達した現在では、雨の日は2~3日前には分かります。それにも関わらず、雨降り直前にルーフィング施工するってことは、お客様のことより自社の工事段取りを優先しているということです。
特にルーフィング施工は、雨漏りの危険度を上下する最も重要な工程です。そのルーフィング施工さえも自社都合で行なう業者は、悪徳業者だといっても過言ではありません。
事前に悪徳業者かどうかを見分ける方法は「屋根修理の詐欺被害に遭わない、たった1つの確実な方法」で詳しくお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。
6. ルーフィングに穴開きや破れを見つけた時の対処法
新築中や屋根工事中のルーフィングに、穴開きや破れを見つけた時は、直ちに現場責任者に連絡をして施工を一旦止めさせて下さい。
友人や知人などに相談していると、その間に工程が進んでいき、後戻り作業ができなくなり、穴開きや破れの確認が不可能になります。すぐに現場責任者に連絡することが最重要です。
そして、なぜ穴開きや破れがあるのかを問い、納得できなければ該当箇所の手直しを訴えるべきです。
なぜならば、雨漏り原因の多くはルーフィングの施工不良から起こるものだからです。「」小さな破れだから大丈夫」とは決して思わないでください。その小さな穴や破れが、数年~数十年後に雨漏りを引き起こし、その修理費用が数十万円~数百万円になることがあるのです。
「注意1秒・ケガ一生」と言うと大袈裟に聞こえますが、一時の遠慮が数十万円~数百万円の出費を招くことになりますので、少しでも気になったら、必ず現場責任者に電話連絡してみましょう。
7. まとめ
ルーフィングについて基本的なことをお話しましたが、いかがだったでしょうか。ルーフィングは屋根工事が完成すると見えなくなりますが、雨漏り防止には絶対欠かせない大切な建材です。
しっかりと担当者より説明を受け、納得してからルーフィング施工をしてもらいましょう。
最後に、ここまで念を入れても雨漏りが始まってしまった場合、その時には「火災保険を使って、屋根の修理を無料で行う「専門業者」とは」の記事を参考にして下さい。きっと、その雨漏りは無料で修理することができます。
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