夏場、まるでサウナのような2階の部屋を涼しくするには、どの断熱方法がいいのだろうかと悩んでいませんか?
実は、この屋根の断熱工事は悪徳業者がはびこる最大の温床となっています。大した工事でもないのに、わざと数倍もの料金が掛かる大がかりな工事を行う筆頭こそが「屋根断熱」なのです!
この記事では、屋根断熱の基本的なしくみ、簡単に断熱効果を高める方法、そして悪徳業者を見分ける裏技の3本立てでお話しします。
断熱の基本的な知識を理解していただき、マイホームの屋根断熱にお役立てください。
目次
1. 屋根の断熱の基本方法
屋根の断熱における基本方法は、大きく分けて2つあります。「天井(てんじょう)断熱」と「屋根断熱」です。
一般的な住宅屋根の断熱方法は、天井断熱を指します。天井が水平の住宅は、ほとんどがこの天井断熱が採用されています。
1-1. 天井断熱(てんじょうだんねつ)とは
天井断熱とは、天井の真上に断熱材を敷き、天井裏の熱を室内に伝わらないようにして断熱するものです。
一般的な断熱材としては、グラスウールとロックウールが使用されています。施工方法は極めて簡単で、断熱材を敷き詰めるだけです。
この記事を読まれている方の大半に対しては、この天井断熱をおススメします。他の断熱方法と比べて、施工に手間が掛からず、施工面積も最小限でできますので、一番安価で断熱ができます。また、その断熱効果も比較的良好です。
■ 天井断熱の特徴
1. 施工面積が最小限で済むため、余分な断熱材の費用が掛からない。
2. 施工方法が簡単なので、安価で済む。
3. 安価な割には、断熱効果が高く費用対効果に優れている。
1-2. 屋根断熱とは
天井が屋根の形をした、いわゆる三角屋根の住宅に採用される断熱方法です。この天井を勾配天井といいます。この住宅は、屋根の傾斜(勾配)に沿って、天井も三角になります。
一般的な断熱材としては、天井断熱と同じくグラスウールやロックウールにプラスして、発砲プラスチックなどが使われます。
この勾配天井をしている建物は、店舗や別荘などに多くありますが、生活空間にこだわりを持たれている一部の方は、住宅にも採用されます。
施工の工程は、極めて困難です。施工面積が広くなるのはもちろん、傾斜があり、かつ施工面に凹凸もあります。また、施工中の足場も不安定なため、熟練の職人さんによる施工が望ましいです。
■ 屋根断熱の特徴
1. 施工面積が広くなるので、断熱材費用が高くなる。
2. 施工には、高度の技術が必要になるので、施工費用が高くなる。
3. 室内空間が広くなるので、空間を有効活用できる。(開放感がある室内やロフト、物置き)
4. 室内空間が広くなるので、それに伴い、空調費用も高くなる。
1-3. 費用相場(目安)
天井断熱 | 4,300円~20,000円/ ㎡ (税別) |
258,000円~1,200,000円/ 60㎡ (税別) | |
屋根断熱 | 2,400円~42,300円/ ㎡ (税別・屋根葺き替え含む) |
145,000円~2,540,000円/ 60㎡ (税別・屋根葺き替え含む) |
※ 基準となる㎡あたりと、一般的な規模の屋根60㎡あたりで計算しました。金額に大きな差があるのは、断熱材や施工方法の違いによるものです。つまり、過剰な断熱工事を行なうことで金額に大きな差が出るということです。
1-4. 工事期間
天井断熱 | およそ2日~4日程度 |
屋根断熱 | およそ2日~7日程度 |
※ 屋根・天井の状況によっては、上記日数を超えることもあります。
2. 簡単に断熱効果を高める方法
ここでは、簡単に屋根の断熱効果を高める方法についてお話しします。それは“小屋裏の換気”を行うことです。小屋裏とは、屋根と天井との間にできる空間のことを指します。
小屋裏の通気・換気を良くするには、実はそれほど費用は掛かりません。小屋裏の上下に換気口をつけるだけです。
具体的には排気のために、※1小屋裏上部(大棟)に換気口をつけます。そして吸気のために、※2小屋裏下部(軒下)にも換気口をつけます。
暖かい空気は自然と上昇しますので、大棟換気口から排出されます。そして冷たい空気は軒下換気口から自然に吸気されます。こうして温度差だけで自然に小屋裏内部は換気されるのです。
これにより、小屋裏の内部が換気され、2F部屋も高温になりません。後は、通常の断熱材を天井裏に敷き詰める「天井断熱」を行なえば十分です。
屋根の断熱方法は、天井断熱+小屋裏換気が最強のセットです!
お見積りの際には必ず「小屋裏換気」を入れましょう。少額で最大限の効果を発揮します。
3. 優良な業者の選び方
ここでは、業者を選ぶ際の3つのポイントをお伝えします。ぜひ、あなたの業者選びにお役立てください。
3-1. ネット情報は、完全な広告です!
まずは、インターネット上に記載されている、以下の記事をご覧下さい。
ダブル断熱とは、天井断熱と屋根断熱を同時に施工することです。屋根で断熱してさらに天井でも断熱すれば、より断熱効果を発揮します。
さらに、ダブル断熱でも不安のある方には、屋根材を遮熱性があるものにする方法や既存の屋根材に遮熱塗料を塗る方法もあります。(日本瓦は除きます)
ダブル断熱にプラスして、直接、太陽光が当たる屋根材も遮熱すれば、ダブル断熱+遮熱のトリプル効果で2F部屋のサウナ化を防げます。
お気を付け下さい。上記のネット情報は、自社の商品・施工を売りたいがための広告・宣伝です。
私たちは実際にこれまで、1,000件以上の屋根を施工してきましたが、その経験から言わせていただくと、屋根断熱のためにこんな大がかりな工事は必要ありません。はっきり言うとお金の無駄遣いです。
この業者は、最もらしいことを言って大袈裟な工事を行い、あなたの財布から余計なお金を引き出そうとしています。絶対に、そのような口車に乗ってはいけません。
現在、地元業者もネット上の業者も自社商品を売り込むのに必死です。たくさんの業者が様々な種類の断熱材や施工方法を宣伝しているのですから、情報過多になるのは当然とも言えます。
その広告に惑わされないためには、前項目でお話しした屋根断熱の基本知識をしっかりと頭に入れておく必要があります。
3-2. 優良業者に依頼しよう
ネットで屋根の断熱について、様々な断熱材や施工方法を見掛けますが、そのほとんどが自社の製品・施工の売り込みです。絶対に惑わされないでください。
特に、難しい建築専門用語や製品名などを並べているホームページは要注意です。あなたの判断力を奪うためにやっているはずだと、悪意すら感じられる業者もあります。
屋根の断熱効果は、断熱材や施工方法では計りきれません。なぜならば、断熱効果の決め手は、その施工技術によるところが大きいからです。
いくらその断熱材や施工方法が優れていても、隙間だらけの断熱材の敷き方では、その効果は全く発揮されません。例えば、勾配天井の場合、断熱材がずり落ちてきたら、全く断熱効果は発揮されなくなります。
実は、断熱材の性能や施工方法のの情報を収集するよりも、もっと大切なことがあります。
それは業者選びです。悪徳業者に引っかからないことはもちろんですが、優良業者に屋根の断熱工事を依頼することが、あなたの悩みを解決できる最高の方法です。
あなたの悩み解決には、優良業者を見つけることが最善の策だと言えます。
3-3. 優良業者を一瞬で見分ける、秘密の方法
これから、優良業者を一瞬で見分ける、秘密の方法について、お話しします。
その前に、屋根の断熱を考えておられるということは、新築のご予定でしょうか。それとも、屋根の修理や葺き替えを予定しているのでしょうか。
このお話は、屋根の修理や葺き替えで、屋根の断熱をお考えの方には必見です。また、新築予定で屋根の断熱方法で悩んでおられる方は、実際に施工される屋根業者を販売担当者より聞き出して、お試しください。
■ 優良業者とは
優良業者とは、どのようなイメージをお持ちでしょうか。有名な業者でしょうか。綺麗なホームページの業者でしょうか。それともTVでCMを行っている大手企業の関連業者でしょうか。
私たちは「お客様の満足を一番に考え、言葉だけでなく実際に行動している業者」が優良業者だと考えています。
いくらホームページが綺麗でも、有名企業の関連業者でも、あなたが満足しなければ、そんな業者は優良とはいえません。それでは、一瞬で優良業者を見つける方法をお話しします。
■ 電話1本で優良業者を見分ける方法!
その業者に
「先日の突風で屋根が壊れたのですが、安く修理していただけますか?」
と、お電話で問合せをしてください。
実際は、屋根が壊れていなくても、あえてこの問合せをしてみてください。気が引けるようでしたら偽名を使って公衆電話から行っても構いません。
私たちは、この問合せを「魔法の問合せ」と呼んでいます。この「魔法の問合せ」こそが一瞬で優良業者を見分ける方法なのです。
その業者が「屋根を調査しないと、金額は分かりませんね」とか「まずは屋根を見させてください、すぐに無料で見積りを出します。」等と電話口で言ってきた場合、残念ですが、その業者は優良業者ではありません。(悪徳業者だという意味ではありません)
なぜならば、突風で屋根が壊れた場合は、火災保険の「風災補償」を使えば、その屋根修理費用は保険で支払われるからです。火災保険の風災補償のことは、屋根業者なら周知の事実であるはずです。
※火災保険の風災補償について詳しく知りたい方は「必見!火災保険を使って屋根修理を無料で行う方法」の記事をご覧ください。
この問合せの模範対応は、次のとおりです。
(あなた)「先日の突風で屋根が壊れたのですが、安く修理していただけますか?」
(業 者)「それは災難でしたね。では、ちょっとお尋ねしますが、火災保険には加入されてますか?」
(あなた)「はい、○○海上火災に加入しています」
(業 者)「では、ご安心ください。火災保険で修理費を支払える可能性がありますので、修理費用の心配はしなくても大丈夫ですよ」
このような電話対応ができるのは、日々お客様の満足を一番に考えている証拠です。屋根を工事する技術はもちろんですが、常にお客様の満足を一番に考え、実際に行動している業者こそが、真の優良業者と言えるのではないでしょうか。
この「魔法の問合せ」なら、あなたにも簡単に実行できるはずです。今すぐに、意中の業者が優良業者か確かめましょう。
4. まとめ
屋根断熱の基本的な知識について簡単にお話ししましたが、あまりにも基本過ぎて拍子抜けされたかもしれません。しかし、そもそも家の構造とは意外にシンプルなものです。
実際、断熱材や施工方法の違いによる断熱効果の差など、費用対効果の視点で考えると、ほとんどないに等しいと言えます。
それよりも、しっかりした施工を行う業者を見つける方がはるかに重要ですし、大きな満足を得られるという事をお伝えしたく、この記事を書きましたので、ぜひ参考にして下さい。
あわせて読みたい