庇(ひさし)を付けるメリットとは?
自宅の窓や勝手口に庇が付いていないことに気が付いて、「庇を付けた方がいいんじゃないかな?」と不安になってきた、そんな方はいませんか?
建築のプロが設計したのだから問題ないと、無理に納得してはいけません。気になることは自分で調べるのがベストな解決策です。
この記事では、初めての方にも分かりやすく、庇の基礎知識についてお話します。ぜひ、参考にして下さい。
目次
1. 庇(ひさし)とは、何か?
建物の窓や玄関などにある開口部の上部に張り出している、日除けや雨除け用に取り付けられた小さな屋根を庇(ひさし)といいます。
2. 庇は絶対に付けた方がよい!
自宅に庇がないことに気が付いたら、後付けでもよいので、できるだけ付けるようにして下さい。それが新築中なら尚更です。これまでに「庇を付けて失敗だった」というお客様を見たことがありませんが、「庇を付けておけばよかった」と後悔する方は何人も見てきました。庇を付けずに後悔する方の方が圧倒的に多いのが実情です。
庇はそんなに大型のものではありませんし、お金もさほど掛かりません。万が一、必要性を感じなかった場合でも「邪魔で仕方がない」と後悔するものでもありません。
2-1. 庇を付けられない場合もある
しかし、庇を付けたくても付けられないケースがあることも事実です。それは、隣の敷地から極めて近い箇所に庇を付けたいケースです。日本では、原則的には建物は隣の敷地から50センチ以上の距離を取ることが義務とされています。(民法234条1項)
ただし、この民法は庇にだけは適用されないという解釈もあるようで、現在論争中のようです。しかし、法的にはどうであれ、ご近所とのトラブルにならないよう、信頼関係は作っておいた方が良いと思います。
3. 庇を付けた方がよい4つの理由
最近の住宅事情には「大きな庇はカッコ悪い」という風潮が感じられますが、私としては、住宅とは長く付き合っていくことを考慮すると、確かにデザインは大切ですが、機能性を優先すべきだと思います。ここでは、庇を付けた方がよい4つの理由について、その機能面を中心にお話しします。
3-1. 雨の吹き込みを防ぐ機能
庇を付けていない場合、窓が開いていると、小雨でも雨水が部屋の中に吹き込んできます。そのため、真夏の降雨時には、空気の入れ替えができなくなります。
3-2. 日除けの機能
庇がないと、直接日光が入りますので、夏場は室内の温度がとても高くなります。反対に庇を付けると、窓からの直射日光量が少なくなるので、室内の高温化や色褪せを防ぐことができます。
3-3. 汚れを防ぐ機能
庇がないと、窓や玄関が直接雨水に晒され、ホコリや汚れが付いてしまいます。しかし、庇があることでそれらを被ることを避けられますので、汚れが付きにくくなるという利点があります。
3-4. 雨漏りを防ぐ機能
庇があれば、窓のシーリング部分が直射日光や雨水に晒されなくなります。よって、シーリングの劣化による雨漏りの可能性を低減することができます。
4. 庇の種類
ここでは、材質が異なる代表的な5つの庇についてご説明します。あなたはどのタイプがお好みでしょうか。
4-1. 木製
木製といってもその表面は、アルミニウムやガルバリウムなどの板金、スレートで覆われています。
4-2. ポリカーボネイト(ポリカ)
カーポートの屋根をダウンサイズしたものといえば、分かりやすいでしょう。ポリカ製はデザインもお洒落なものが数多くあります。
4-3. アルミニウム
アルミニウム製は「軽量性、耐久性、消音性」に優れています。
4-4. ガルバリウム
キズが付きにくく耐摩耗性や防錆性に優れています。遮熱効果も高く、再利用しやすい材質です。
4-5. ガラス
デザインを重視される方にはとてもおススメな庇です。オシャレで都会的な雰囲気を満喫できます。強化ガラス製なので、強度や安全性も考慮されています。
5. 庇の修理費用の相場
ここでは、庇の新設費用ではなく、修理費用の相場についてお話しします。
庇の交換修理 | 約20万円~ (材料費・施工費込み) |
6. 庇の修理費用を完全無料の0円にする方法
長年の雨風により、庇が傷んでしまい、修理をしたいと考えている方に耳寄りな情報があります。もし、あなたが火災保険に加入済みでしたら修理費用を負担0円にできる可能性が大です。なぜなら、その火災保険には「風災・雪災補償」が自動的に付いているからです。庇が破損する原因の1位と2位は「台風と落雪」です。
少しでも心当たりがあるのなら「必見!火災保険を使って、屋根修理を無料で行う方法」で火災保険の「風災・雪災補償」のことを詳しくお話ししていますので、ぜひ参考にして下さい。
7. まとめ
現在、ご自宅の窓に庇が付いていないのなら、できるだけ追加工事で庇を付けてもらうと良いでしょう。費用は若干掛かりますが、それ以上のメリットがあるのは間違いありません。
また、修理が必要だと感じた場合には、火災保険を使って無料で修理するという方法を常に頭の隅に置いていただけると良いと思います。
あわせて読みたい