破風板とは・・・
屋根にある「破風板」が台風などで傷むと、初めて意識するものだと思います。西洋では、単なる飾り付けに用いられることもあるようですが、日本では大切な役目を担って設置されていることがほとんどです。
あまり知られていませんが、破風板には大切な役割があります。この記事では、その役割と破風板の基本的な知識についてお話しします。
目次
目次
1. 破風板とは
破風板(はふいた)とは、その言葉通り「風を破る板」として、その名称が付けられたと言われています。「風を破る」とは、屋根瓦の下や屋根内部に吹き込む風を防止するという意味です。「破風」とは、風を打ち破るという意味ですね。
2. 破風板とケラバの違いについて
破風板とケラバの違いが良く分からないという方が多いと思いますので、下に説明用の写真とイラストを添付しておきました。ケラバは上面で、破風板は横面だと考えていただければ分かりやすいです。
3. 破風板、その4つの役割
なぜ、破風板が屋根につけられているのか、その理由は破風板の主な役割にあります。ここでは破風板の主な4つの役割についてご説明します。
3-1. 耐風性を高める
実は、屋根は上から吹きつける風には、耐風性は高いと言われていますが、横や下から吹き込んでくる風には、意外と弱いものです。特に下から吹き上げる風には、非常に脆い作りになっています。
そのため、屋根には破風板がつけられています。破風板があることによって屋根内部への風の吹き込みを防ぐことができるのです。
3-2. 雨水の吹き込みを防ぐ
雨は必ずしも真上から降るものばかりではありません。強風時は、斜めから降ってきますし、台風時には、真横から雨が吹きつけることもあります。破風板は、そんな時に雨水の吹き込みを防ぐ役割を果します。
3-3. 防火性を高める
通常、屋根の横幅は外壁よりも大きく、少し張り出した形になっています。この張り出した部分を「軒」といいます。そのため、火災時に窓から炎が上がった場合、すぐに軒までに炎が到達してしまいます。
軒に破風板がなかったら、防火材が使用されていない屋根裏まで一気に延焼してしまいます。破風板が、屋根の防火性を高める働きを担っています。
3-4. 化粧性を高める
屋根を支えている垂木・母屋・桁などは化粧材ではありません。そのため、外観があまり良いとは言えません。それを隠すために、化粧材としても破風板がつけられています。
※ 化粧材とは、表面がきれいに加工され、見栄えが良い建築材のことです。
4. 破風板の3つの材質
ここでは、主な3つの破風板の材質についてお話しします。
4-1. 木質系
以前は、ほとんどが木質系の破風板でした。しかし、現在ではあまり使用されていません。その理由は、耐火性が著しく低いからです。塗装をしても、その防火性はあまり向上しません。燃えてしまいます。
4-2. 金属系
近年では、ガルバリウム鋼板の破風板が多く見られるようになりました。しかし、耐久性と化粧性は問題ありませんが、耐火性があまり良いとはいえません。
金属系の破風板は、火災の際、その熱でフニャフニャになってしまい、耐火機能を失いがちです。しかし、木質系よりは耐火性が高く、燃える事はありません。
4-3. 窯業系(ようぎょうけい)
新築の方には、こちらの窯業系破風板が絶対におススメです。窯業系破風板は、耐久性、耐火性、化粧性に優れていて、耐震性も悪くありません。
窯業(ようぎょう)とは、粘土、ケイ砂、石灰岩などから陶磁器、瓦、セラミックス、セメントなど、非金属原料を高熱処理して製造するものの総称です。窯(かま)を使用するため、窯業と呼ばれています。
窯業系破風板の場合、主にセラミックスやセメントなどの複合材が使われています。これらはもちろん、耐久性や化粧性が高く、さらに耐火性にも優れています。一方、重量があるため、少し耐震性が気になりますが、瓦ほど大量に使用されているわけではありませんので、大きな問題ではありません。
5. 破風板に白色系はおススメできない
破風板の色は、必ず白以外にしましょう。その理由は水垢が目立つからです。繰り返しになりますが、決して雨は垂直に降るわけではありません。そのため、どうしても破風板にも雨水は当たります。
大雨時には、雨水が破風板に大量に流れます。破風板が真っ白だと、どうしても水垢が目立って外観が損なわれがちです。この水垢が気になって何度も塗装を繰り返される方がおられるほどです。
紺色、茶色系の破風板がおススメですが、白系統の色がお好みでしたら、極力薄いベージュや薄いグレーなどの色にしましょう。
6. 破風板の価格相場
窯業系破風板 | 99,600円~298,000円/ 1棟 |
※ 一般的な住宅(10坪~30坪)の破風板の長さ50メートルで計算しています。
7. 破風板の修理方法
ここでは、業者が行なう主な2つの修理方法について、ご紹介します。
7-1. 金属板による包み修理
主に木質系の破風板に行われる修理方法で、ガルバリウム鋼板などの金属板で全体を覆い包み、耐久性や化粧性を高めます。
7-2. 塗装修理
木質系や金属系の破風板に塗装して、耐久性や化粧性を高めます。
8. 破風板の修理費用相場(目安)
金属板包み修理 | 15万円~30万円/ 棟 |
塗装修理 | 5万円~15万円/ 棟 |
※ 通常は、破風板だけの修理を行なうことはありません。瓦やスレートと併せた修理に掛かる費用相場とお考え下さい。
※ 一般的な規模である10坪~30坪の住宅で計算していますので、上記の金額は飽くまでも目安と捉えて下さい。
※ 足場代は含まれていません。
9. 破風板の修理費用を負担金0円の無料にするには!
破風板に修理が必要になった原因は、ほとんどが風によるものです。破風板は風に打ち勝つように作られていますが、その分、風の影響もモロに受けてしまいます。
そんな時は、火災保険の「風災補償」を活用しましょう。風災補償とは、強い風によって破風板などの住宅が壊れた場合に、その損害額を保険会社が補償してくれる補償制度のことです。
すでに加入中の火災保険で破風板を修理することができますので、新規で火災保険に加入する必要は全くありません。
出典:http://www.sompo-japan.co.jp/kinsurance/habitation/sumai/sche/wind/
※平成26年7月1日に更新され 表示が異なっています。
このように台風による壊れでなくても、火災保険で破風板を修理することはできます。あなたが既に、火災保険に加入済みでしたら「必見!火災保険を使って、屋根修理を無料で行う方法」で、その方法を詳しくお話ししていますので確認してください。
10. 優良修理業者は、電話1本で見つかる
破風板を修理する際に、最も気をつけたいことが業者選びです。いくら立派な材料を使っても、その修理技術が未熟だと、満足のできる修理はできません。業者選びを間違うと、大きく後悔することになりかねません。
実は、火災保険の風災補償の存在を利用すれば、電話1本で必ず優良業者を見つけ出すことができます。なぜなら、優良業者というのは、お客様のメリットを最優先にして修理を行なっているからです。
ならば、電話で問合せした際に、火災保険を使えば負担金0円で破風板を修理できることを必ず教えてくれるはずです。その具体的な電話の問合せ方法については「屋根修理の詐欺被害に遭わない、たった1つの確実な方法」で詳しくお話ししています。すぐに優良業者かそうでないかが、分かるので非常に便利です。
11. まとめ
破風板について、色々とお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか?ご理解いただけたでしょうか?
破風板に修理が必要になったら、火災保険の風災補償のことを思い出してください。負担金0円で修理できれば、それはあなたにとって、大きなアドバンテージとなります。
あわせて読みたい