のし瓦とは、一体?・・・
屋根修理の見積りを依頼したら、明細書に「のし瓦」という言葉を見つけて「のし瓦って一体何だろう」と思われていませんか?
そこで、このページにアクセスされたのではないでしょうか?
この記事では、「のし瓦」の構造や種類、その役割などの基本的なことについてご説明します。
施工の方法や価格相場(目安)についてもお話ししますので、ぜひ参考にしてください。
目次
のし瓦の積み方、ズレる前に知るべき基礎知識
のし瓦とは
のし瓦とは、屋根の頂上部分に設置する短冊状の瓦のことです。
瓦の継ぎ目から雨水が浸入しやすいため、そこに漆喰等を塗り込みながら、防水加工を施し、数段に積み上げて施工します。段数が多いほど屋根下地への雨水の浸入を防ぐことができます。
漢字では「熨斗瓦」と書きます。のし瓦の上に積むカマボコ型の冠瓦と合わせて、棟瓦(むねがわら)と呼ばれています。
のし瓦の種類
意外に思われるかもしれませんが、実は、のし瓦には30種類以上の形状があるのです
のし瓦の種類について、詳しくお知りになりたい方は「のし瓦種類一覧」ページをご覧下さい。
のし瓦の主な役割
この項目では、「のし瓦」の主な2つの役割について、お話ししています。両者とも必須の役割です。
雨漏り防止
のし瓦は、屋根の頂上部に施工されます。その頂上部を棟(むね)といいますが、その棟は、屋根面が鋭角に結合している部分です。この箇所に、のし瓦を上から載せることで棟へ降ってきた雨水を屋根面に流し、棟の下地に雨水が浸入することを防いでいます。
デザイン性を高める
のし瓦を載せる棟は屋根の中でも目立つ箇所なので、デザインを考慮して、のし瓦の種類や装飾、高さ、段数を決めることが多いようです。段数は多ければ多いほどデザイン性が高まり豪華絢爛に見えますが、高くなる分、風の影響を受けやすくもなります。よって、その施工にはより高度な技術が必要になります。
のし瓦の構造とその施工方法
ここでは、ごく基本的なのし瓦の施工構造と、一般の人にはあまり知られていない特殊な施工方法についてお話しします。
のし瓦の基本的な施工構造
特殊な施工方法=のし瓦を割って施工する
のし瓦は緩くカーブした短冊形をしているが、真ん中に縦筋が入っており、簡単に割れるようになっています。通常は割って施工されます。
割って施工する3つの理由
製造効率を上げるため
割れた状態だと、のし瓦は小さな長方形になり、窯の中で焼きにくくなります。また2つが連なった形状だと2倍の数をいっぺんに焼くことができ、さらに立てて焼くことができるので生産効率が非常に上がります。
のし瓦の大きさや形状が微妙に異なるため
のし瓦は焼き物なので、どうしてもサイズにわずかな誤差が出てしまい、全く同じものを作ることはできません。あまりにも誤差がひどいと施工した際に凸凹になり、見栄えも悪く、雨漏りの原因にもなりかねません。それを防止するために、のし瓦は割って施工します。それによって微妙な位置調整ができるので、棟が綺麗に仕上がります。
のし瓦を台形に積むため
のし瓦を何段も積んで施工する場合、下段の部分を幅広く積むことができれば安定します。割らずにそのまま積んでいけば、下段部分も上段部分も同じ幅になり不安定になります。それを解消するために、のし瓦の下段部分は割って幅広く施工されています。
のし瓦の積み方、ズレる前に知りたいポイント
のし瓦がズレる原因と、修理するときの価格
棟瓦を施工する場合、のし瓦だけを施工することはありません。よって、棟瓦全体の施工価格の相場(目安)についてお話しします。
棟瓦の積み直し修理施工 | 50万~150万円 |
※ 一般的な広さ15坪~25坪程度・一般的なグレードの材料で計算しています。
※ 足場代も含みますが、必要でない場合は上記金額より安くなります。
※ 屋根の勾配(傾斜)や周辺環境によって金額範囲外になることもあります。
のし瓦を含む、棟瓦の修理費用を0円にする方法
のし瓦、もしくは棟瓦を修理する場合、その修理費用を0円(無料)にする裏技があります。それは、火災保険の「風災補償」を活用して、棟瓦を修理するという方法です。
棟瓦は、屋根の頂上部にあるため、台風や突風など、風の影響を最も受けてる箇所です。つまり、漆喰の崩れやのし瓦のズレなど、風災に遭っている可能性がとても高いのです。風災であることが認められれば、保険会社がその修理費用を補償してくれます。
さらに詳しいことは「屋根修理にかかる費用の相場と、それを無料で修理する方法!」でお話ししています。火災保険に加入済みの方には必見の内容です。
のし瓦の積み方、ズレる前に知っておきたいポイント:まとめ
今日は、のし瓦の種類や役割、その構造と価格相場などの基本的な内容に加えて、修理費用を0円にできる秘密の方法についてもお話ししましたが、いかがだったでしょうか?
「のし瓦」は屋根の脇役ではありますが、その助演俳優のような“いぶし銀”の役割は屋根の大切な要素となります。のし瓦に修理が必要となった場合には、ぜひこの記事を役立ていただけると嬉しいです。
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