広小舞(ひろこまい)の貴重な役割とは・・・?
屋根を修理する時に、大工さんから「広小舞の修理が必要ですね」と言われ、「広小舞って何だろう」と思っているのではありませんか?
この記事では、広小舞の役割とその基礎知識。そして負担金0円で修理できる方法についてお話しします。
広小舞のことがよく分からないまま、工事を進めてしまうと、後悔する事になりかねませんので、そのためにもぜひ参考にしてください。
目次
目次
1. 広小舞の役割とその基礎知識
ここでは、主な広小舞の基礎知識を4つお話しします。きっと後で役立つことがあると思いますので、ぜひ知っておきましょう。
1-1. 広小舞とは
軒先の先端にある垂木の上に取り付ける木板のことです。雨樋が付いていないケラバ側(妻側)に取り付ける場合は「登りよど」と呼ばれています。
1-2. 広小舞の役割
広小舞には、次の3つの役割があるといわれています。しかし、現在では材料の高品質化により、その役割はだんだんと薄れつつあるようです。
■ 軒先を揃える
垂木は細長い角材であるため変形しやすく、屋根面にデコボコが生じやすくなります。広小舞には、上下の凹凸を慣らし、軒先を揃える役割があります。
■ 水留め
野地板などの木材の切り口は、雨水を吸収しやすいので大雨や台風時に備えて切り口を濡れないように施工する必要があります。これを「水留め」と言います。その役割を広小舞が果たしているのです。
■ 瓦の角度調整
次項目で詳しくお話ししますが、広小舞には瓦の角度を調整する役割があります。瓦の種類によっては、広小舞の厚みを足したり、広小舞の上にさらに「淀(よど)」と呼ばれる木材を取り付けて、瓦の角度を調整する役割を担っています。
最近では、この淀は「エコランバー瓦桟」という商品名の方が有名になり、それが業界のスタンダードになりつつあります。淀が「頭痛薬」でありエコランバー瓦桟が「バファリン」と考えてもらえると分かりやすいと思います。です。逆に、分かりにくいかな・・・(笑)
1-3. 瓦葺き屋根には、広小舞は必須
屋根に瓦を葺く際、瓦と瓦は重なり合っています。上側の瓦が、下側の瓦に一部上から被さることで、瓦すべての角度が均一になっています。
しかし一番下側の瓦には、被せる瓦がありません。そのため広小舞に厚みを増したり「淀(エコランバー瓦桟)」を取り付けて、軒先にある瓦の角度も他の瓦と同じになるように調整をしているのです。瓦葺き屋根に広小舞が無かったら、軒先にある一列の瓦だけ角度が異なってしまいます。
1-4. 外観には3種類ある
ちょっと分かりにくいのですが、広小舞は外からでも見ることができます。脚立を使って、雨樋と瓦の間から中を覗き込めば、あなたでも広小舞を発見することができます。
和風住宅などの軒天がない住宅では、軒下から直接見ることもできます。その見た目は、主に下記の3つに分けられます。
■ 木材のまま
特に和風住宅の屋根では、広小舞の面取りや表面をカンナ掛けして、化粧材として木材のままで取り付けされることが多いです。
■ 塗装をする
デザイン性を向上させることにプラスして、広小舞自体にもより水留め機能を持たせるため、塗装されることがあります。
■ 板金
塗装よりもさらに化粧性や水留め機能、防水性を高めるために、広小舞を板金で覆うことがあります。板金加工をすると、特に広小舞の防水性はグンと高まり、後々のメンテナンス費用の低減にもプラスになります。
2. 広小舞の修理は、負担金0円で行うのが王道!
広小舞に修理が必要になる原因のほとんどは、経年劣化か施工不良ですが、それ以外の原因もあります。それは、ズバリ「風災」です!
風災と聞くと、台風のような大風をイメージされると思いますが、日常的な突風などでも被災しているケースが見られます。屋根はその構造上、下からの風に弱いという特性があるからです。
もちろん広小舞だけでなく、瓦やスレートの浮きや割れ、屋根漆喰などの崩れも「風災」により修理が必要になるケースが多々見られます。
2-1. 風災なら、負担0円で広小舞を修理できる!
火災保険には「風災補償」が自動付帯されているものがほとんどです。あなたの火災保険証も今すぐに確認してみましょう!
この風災補償とは、突風や台風などの強い風で損害を受けた箇所の修理費用を、保険会社があなたに代わって支払う制度です。つまり、あなたは負担金0円で自宅の被害箇所を修理できるということになります。
もっと具体的に知りたい人は「必見!火災保険を使って、屋根修理を無料で行う方法」でその詳細をお話ししていますので、ぜひ参考にしてください。
3. まとめ
この記事では、広小舞の役割とその基礎知識、修理費用を0円にする秘密の方法について説明させていただきましたが、いかがだったでしょうか?広小舞のことをよく知らなかった時に比べて、少しは不安が低減されたのであれば、嬉しいことです。
広小舞のみでなく、屋根全般に関して修理が必要な場合には、迷わず火災保険を使って、負担金0円で修理して下さい。そのために保険に入っているのであり、決してただの「安心料」ではありませんので。
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