Web上の悪徳業者にご用心
「手抜き工事をされた」「ボッタクリに遭った」など、悪徳業者に騙されるのは金銭的にも精神的にも、そしてご自宅にも大きなダメージが残ります。
お金はたくさん取られたのに工事は手抜き、これではやりきれません。
しかし、絶対に騙されまいと身構えるほど疑心暗鬼になり、具体的な行動ができず、リフォームの問題を解決できないままになっていませんか?
ご安心下さい、悪徳業者の手口さえ事前に知ってしまえば、騙されることはありませんし、悪徳業者と関わる必要も一切なくなります。
今回の記事では、インターネット上にはびこる悪徳業者の具体的な手口と商法、その対処法について詳しくお話しします。ぜひ参考にしてください。
目次
目次
1. 悪徳業者とは
私は、悪徳業者の記事を書く機会をすっと待っていました。
なぜなら以前、私が勤めていた会社もこの“悪徳業者”だったからです。罪滅ぼしの意味も込めて、この手の業者がどんな手口を使って悪事を働いているか、その全貌を暴露させていただきます。
まず最初にお伝えしておきますが、決して高額な業者がすべて悪徳業者というわけではありません。安い業者でも悪徳業者は多数、存在します。例えば、寸借詐欺(すんしゃくさぎ)や少額商品の送りつけ商法は、一軒あたりの金額は数千円ですが、いわゆる「薄利多売」方式でお金を集め、ボロ儲けしています。「まあ、これくらいならいいか」という人の心の隙に付け込んだ悪徳商法といえます。
そこで、この記事では、悪徳業者の定義を「費用対満足度が低い業者」と定義しました。
例えば、雨漏りでお困りのとき、数万円のコーキング補修でも雨漏りが止まらなければ、その業者は悪徳業者と見なします。反対に屋根の葺き替え費用が数百万円掛かっても、雨漏りが止まり、屋根も雨樋もピカピカになってお客様が満足されれば、その業者は悪徳業者ではないということになります。
このように高額な費用を支払っても、それに似合った満足度が得られれば、決して悪徳業者ではないと考えます。
2. よくある悪徳業者の商法
2-1. 業種別
ペーパー商法 | 結婚詐欺 | 裏口入学詐欺 |
商品先物 | 原野商法 | 求人まがい商法 |
マンション商法 | ねずみ講 | ネットワークビジネス |
マルチ商法 | インターネット詐欺 | 霊感商法 |
資格商法 | 睡眠商法 | 展示会商法 |
会員権商法 | 宗教勧誘商法 | 内職商法 |
当選商法 | コンプレックス商法 | 宝石商法 |
自動販売機商法 | ボランティア商法 | 財テク商法 |
送りつけ商法 | 教材販売商法 | 無料点検商法 |
エステ | 自己啓発セミナー | リフォーム詐欺 |
厳密には、もっとたくさんの悪徳業者の商法はあると思いますが、内容が想像もできない商法もありますので、ここでは割愛させていただきます。
2-2. 販売方法の手口別
高齢者から相談のあった販売方法・手口別ランキング〈2015年〉
1位 | 電話勧誘販売 | 31,974件 | 19.9% |
2位 | 家庭訪販 | 23,730件 | 14.7% |
3位 | 利殖商法 | 12,072件 | 7.5% |
4位 | 被害にあった人を勧誘(二次被害) | 7,436件 | 4.6% |
5位 | インターネット通販 | 5,860件 | 3.6% |
6位 | 代引配達 | 4,987件 | 3.1% |
7位 | 次々販売 | 4,945件 | 3.1% |
8位 | 当選商法 | 4,020件 | 2.5% |
9位 | 無料商法 | 3,598件 | 2.2% |
10位 | 販売目的隠匿 | 3,188件 | 2.0% |
全国の消費生活センターに寄せられた契約当事者が70歳以上の相談より(1014年5月末日までの登録分)
〈独立行政法人 国民生活センター資料より〉
〈%は、契約当事者70歳以上の相談(160,904件)に占める割合〉
※1. 1件の相談に複数の販売方法・手口が含まれる場合は、各々に対し1件ずつカウント。
※2. 「電話勧誘販売」「家庭訪販」「代引き配達」「インターネット通販」は販売方法に問題があるとカウントされたもののみを対象に集計。
※3. 「販売目的隠匿」には「アポイントメントセールス」は含まれていない。
出典:http://www.oasisnavi.com/chiebukuro/money/27045/
上の表をご覧ください。1位と2位に関連深いのが、いわゆる住宅リフォーム詐欺です。突然電話が掛かってきて、言葉巧みに無料点検に誘い込み、点検時に不安をあおり、法外な金額のリフォーム契約をさせる悪徳業者の手口です。次は、 その実態について詳しく説明します。
3. 悪徳業者の手口
まずは、一昔前に流行した悪徳業者の手口からお伝えします。あなたもどこかで聞いたことがある、もしくは経験があるのではないでしょうか。
3-1. 昔からある悪徳業者の手口
・見積書の明細が●●一式
・不安を大げさに煽る
・相場と比べて見積金額が異常に高い
・大幅な値引きをする
・保証・アフターサービスについて口約束だけ
・キャンペーン中を理由に契約を急がせる
・調査見積り時に別写真を見せる
・注文するまで居座る(押し売り)
ネットで探せば、まだまだ、たくさん悪徳業者の手口がありそうです。これらの手口は今でも現役ですが、かなり世間に知れ渡っているので廃れつつあります。だからといって、気を緩めると被害に遭いますので、これらの手口も十分に気をつけましょう。
仮に上記のような手口に遭ったら、書類などに一切サインせず、しっかりと「お断りします」と伝えましょう。「結構です」とかあいまいな言葉では駄目です。民法上では、口約束でも契約は成立すると保証されています。
3-2. インターネット上で見られる新しい手口
ここではよく見られるインターネット上での悪徳業者の手口をお伝えします。どれも見た目は良い業者のように見えますが、実は下記のような裏のカラクリがあります。
キャンペーン中を理由に、○○%OFFや無料受付を全面的に宣伝しているサイトは怪しいです。キャンペーン中というのは、何も理由が見つからないから「キャンペーン」と表示しているのです。そして実は、1年中いつでもキャンペーン中だというのが実情です。
何を基準に1位といっているのかが明記されていないのであれば、このサイトも悪徳業者と疑っていいでしょう。もちろん大手企業のように第三者機関の調査結果ということであれば疑う必要はありませんが、果たしてリフォーム業者に第三者機関が調査することって本当にあるのでしょうか?ちなみに私は24年間働いていて、まだ一度も見たことはありません。
インターネットの世界では、数字が多ければ多いほど、売上がアップすると言われています。そのため、大して重要でもない数字をたくさん表示しているサイトには要注意です。結構、ズル賢い業者といえます。例えば、有効期限の月日や問合せ件数、残りの受付可能件数などです。
一見するとその地域で一番安い業者と思われますが、実際はそうではありません。よ~く見てください。挑戦中であり、最安値です!とは書かれていません。これは よく使われる言葉のマジックなのです。このような姑息な手段を使う業者も悪徳業者だと言っていいでしょう。ちなみに似たような手口で「当社は地域で2番目に安い業者です」があります。本当に2番目かなんて誰にも分かりません。実は、1番目にしないのがミソです。仮に他社が自社よりも安い見積り金額を出した場合も当社は2番目の安い業者ですのでと、言い訳ができるからです。
申込みの期限日を設定しているサイトも要注意です。焦らせることによって、あなたの判断能力を低下させることを狙っての確信犯です。サイト中に秒単位で進んでいくタイマーを表示して申込みを煽る業者など、もってのほかです。
ここまで暴露すると、もはや誰を信じて良いか分からなくなってしまいます。悪徳業者は、上記の手口でお客様の情報を収集し、前項目の「昔からある悪徳業者の手口」へ移行、あなたから甘い汁を吸い上げようとします。
インターネット上で、納得できる理由が明記されていない状態で、耳障りの良いことばかりを宣伝しているサイトは悪徳業者ではないか?と疑ってもらって結構です。
4. 一括見積りサイトやランキングサイトには気を付けて!
実はWeb上では、数年前から新たな悪徳業者の手口がいくつか見られるようになっています。最も被害が多い手口が、劇場型の「一括無料見積りサイト」と自作自演の「ランキングサイト」です。
主に、出張サービスの悪徳業者の間では、もはや常套手段になっています。具体的には 以前 バイク王がやっていた「一括無料見積りサイト」が有名です。
「バイク王」が競合業者を自作自演
「バイク王」比較サイト偽装疑惑への企業対応
4-1. 一括無料見積りサイトとは
この手口の流れをご説明します。全体の構図は、お客様であるあなたと業者の間に第三者として「一括無料見積りサイト」があることが前提になっています。
その「一括無料見積りサイト」は一切無料・匿名で利用でき、複数の業者に一度に見積り依頼が出せるので手間が省け、一番安くて良い業者に依頼できると思われています。しかし、その実態は全くの逆です。
その手口を時系列で解説します。
①「一括無料見積りサイト」にアクセスして見積りを依頼する。
② 複数の提携業者から見積りの概算が届く。
③ その中から、一社を選び、正式な見積りを依頼する。
④ 契約後、商品・サービスの提供が行われる。
【①~④までを詳しく解説】
匿名で可能と書かれていますが、それはあくまでも業者に対してであり、「一括無料見積りサイト」運営者に個人情報の詳細を伝えなければなりません。訪問調査なしで概算見積りを出すという前提があるため、氏名・住所・電話番号など個人情報はもちろん、場合によっては勤務先や年収などの提出も求められます。
仮に3社に見積りを依頼したとしましょう。この3社、実は裏で提携関係を結んで連絡を取り合っているのをご存じでしたか?したがって、いくらでも見積り金額の調整をすることができます。それぞれの見積り金額に高低の差はあれども、一番低い金額がすでにボッタクリ金額である可能性が高いのです。
上記の②時点で、最高見積り金額(超ボッタクリ金額)を見てしまった方は、少し低額なボッタクリ金額でも安く感じてしまうため、つい気を許してしまい、出張見積りを依頼してしまいます。そうすると悪徳業者の手口にはまるのです。出張見積もりに来た悪徳業者は、理由をつけてオプションなどで最初の見積り金額より大幅にアップした金額を提示してくる。または、契約するまで居座り続けます。さらには「手ぶらで帰れない」と懇願されたり、あの手この手を使って契約を迫って来るのです。
こんな劇場型の「一括無料見積りサイト」を運営する業者と提携する業者が行なう商品・サービスが、まともであるはずがありません。
つまり、「一括無料見積りサイト」にアクセスして見積り依頼した時点で、悪徳業者の手の内に入ってしまい、金額感覚を麻痺させられ、他社との比較ができなくなってしまうのです。どんなに用心して近づいても、最後には騙されます。「一括無料見積りサイト」を見つけたら、クリックせずに近づかないのが一番です。
まとめ:一括無料見積りサイトを見つけたら、絶対にクリックしてはいけない。
4-2. 自作自演のランキングサイトとは
ランキング形式のサイトは、検索結果で上位表示されやすいといわれています。その特性を悪用し、自社が1位のランキングサイトを作成し、あたかも第三者から最も支持されているように見せかけます。要するに自作自演のランキングサイトを作るわけです。
そんな事情も知らずに、そのランキングサイトを見た人は、この業者はランキング1位だから間違いないと勘違いして、個人情報などを伝えてしまいます。後は想像の通り、劇場型の「一括無料見積りサイト」と同様、あの手この手で契約を迫られるのです。お決まりのコースだと言えます。
よく考えれば分かることですが、自分でランキング1位だと言っている業者ほど怪しい業者はありません。ランキング順位は、自分でなく 他者が決めるものだからです。
また、最近ではランキングサイトの進化型が登場しました。それはあたかも第三者業者名でランキングサイトを運営し、公平にランキングを行なっているように展開されているものです。もちろん、こちら自作自演サイトです。そもそも、第三者業者など、その気になれば架空の機関をいくらでも作り出せます。
業種にもよりますが、出張サービス型の業者は中小業者に多いようです。正確なランキングを調べるのは、ほぼ不可能です。
仮に厳密なランキング付けができたとしてもそのためには、多くの手間や費用が掛かり、それを補うために見積金額をアップせざるを得なくなってしまいます。そうなれば、当然売り上げは下がります。
つまり、正確なランキングサイトを作れば作るほど、自らの足を引っ張ってしまうことになるのです。だから、正確なランキングサイトなどそもそもありえません。ランキングサイトを見つけても、絶対にクリックしないでください。
まとめ:ランキングサイトを見つけても、絶対にクリックしてはいけない。
5. 具体的な対処方法
対処方法は大きく分けて2つあります。それぞれ具体的にどうやって対処すればいいのかを説明していきます。
5-1. 一括無料見積りサイト・ランキングサイトの場合
対処法はただ1つしかありません。
上の項目を参考にして、怪しいと思われる業者とは一切の接触を持たないことです。もちろんクリックしてサイトを見るだけも止めるべきです。
なぜならば、悪徳業者のサイトには「こんな業者を探していた!」と思わず膝を叩いてしまうほどのうまいコピーやセールスレターがわんさと書かれているからです。(すべて裏のカラクリがありますが・・・)
一度、それを目にしてしまうと、無意識的にあなたの頭は「この業者が良い」と刷り込みをされ、他の業者への関心がなくなってしまい、比較ができなくなるのです。
そうなると、いくら意識的に「この業者は怪しいかも」と分かっていても、時が経てば「やはりこの業者が一番いいのでは」と思ってしまい、結局、悪徳業者に依頼することになるのです。
悪徳業者は、心理学や脳科学を徹底的に応用し、巧みに悪用する能力は非常に長けています。悪徳業者に一般人が真っ向から挑むことは、中学生がウサイン・ボルトと100m走を競うようなものです。結果は火を見るより明らかです。
怪しい業者・サイトとは一切の接触を持たないことが一番の対処方法です。
5-2. その他サイトの場合
サイトの見栄えや資本金などの会社規模では、悪徳業者かは絶対に分かりません。それを判別するには、どうしても電話相談や対面見積りなどの接触が必要になります。この手間や時間を惜しまないことが重要です。
悪徳業者の被害に遭われている方のほとんどは、手間と時間を掛けていないことが原因です。では、その接触時のチェックポイントを3つ挙げましょう。
最低3社ほどの見積りを取れば、相場もある程度分かりますし、あなたも見積り慣れして冷静に相手の対応を見極めることができるようになります。特に、見積書の明細が細かく書かれているかは、必ずチェックしましょう。
分からないことが多いと、ついつい質問しづらくなってしまうことがあると思いますが、悪徳業者はそこを狙って、専門用語をわざと多用してあなたの判断能力を麻痺させようとしてきます。たった1つの質問をしていなかったために、後悔するケースは後を絶ちません。面倒だと感じられるかもしれませんが、分からないことは1つ残らず質問していきましょう。こちらもそれ相当のお金を払い、業者を儲けさせているのですから、遠慮など無用です。
質問したことへの回答や保証、そして期限などは必ず書面にして残しましょう。書面にしていないと「言った、言わない」の水掛け論になり、結局、損をするのはあなたです。悪徳業者は口頭では立派なことを言いますが、いざ書面にして下さいとお願いすると、必ず「そこまで私を疑うのですか?」みたいなことを言ってきます。人の良い方は「そんな意味ではないです。もう書面はいいです。」と引き下がります。悪徳業者はその言葉を待っているのです。その後は、想像通り「そんなことは約束していない。」と突っぱねられて被害に遭います。よくよく考えると、約束の内容を証拠となる書面にしないなど、どう考えてもおかしいですよね。書面を嫌がる業者は悪徳業者と考えていいでしょう。上記のようなことを言われたら「疑ってはいませんが、書面にして下さい。」と言うのではなく、そんな業者との交わりは一切断って下さい。断る勇気を持つ必要があります。
もしも、あなたが住宅屋根の修理業者をお探しでしたら、ほとんど手間や時間を掛けずに優良業者を見つけられる方法があります。その方法とは、意中の業者に電話で「ある言葉で問合せ」をするだけです。たった電話1本で その業者が優良かどうか確実に分かります。
その問合せ方法を知りたい方は「屋根修理の詐欺被害に遭わない、たった1つの確実な方法」の記事をご覧ください。
6. まとめ
この記事を読まれて、インターネット上で見られる悪徳業者の手口とその対処方法について、ご理解いただけたと思います。“リフォーム業界って本当に恐ろしい”と改めて思います。
化粧品業界や中古車業界もやっていることは変わりませんが、リフォーム、住宅関係は金額の桁が違いますから、慎重に時間と手間を惜しまず対処していただければ幸いです。
悪徳業者の手口は日々進化していますので、また新しい悪徳業者の手口が判明しましたら、お話しさせていただきます。
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