テレビが映らなくなったら、アンテナの修理が必要かも!
テレビの画像が粗く歪んだり、突然テレビが観られなくなったら、本当に不便なものです。もしかしたら、テレビの買い替えが必要なのではないか?と不安になってしまいます。
しかし、ご安心ください。その理由のほとんどは、テレビアンテナの壊れや傾き、またはテレビ端子の接続不良のどちらかです。よって、テレビの買い替えが必要になることはまずありません。
この2つの問題を解決すれば、テレビは元に戻りしっかり映るようになります。この記事では、それぞれの対処の方法について、詳しくお話しします。
目次
1. テレビアンテナを修理する方法
テレビアンテナが破損したり傾いた場合には、原則的に新品のテレビアンテナへ交換する必要があります。もちろん、これまでのテレビアンテナを修理する方法もありますが、あまり費用に差がありませんので、交換する方が賢明です。ここでは、アンテナ業者が行なっている交換修理の方法についてお話しします。
1-1. 古いテレビアンテナを取り外す
これまでのテレビアンテナは取り外しますが、配線やアンテナのマスト(支柱)を支えているステイ(針金)はサビや劣化がなく、強度に問題がなければ再利用できるので、そのまま保存しておきます。
1-2. 新しいテレビアンテナを組み立てる
まず、平らな場所でテレビアンテナを組み立てます。部品を全て取り付けますが、マストと屋根馬へのネジによる固定はこの時点では行いません。
1-3. アンテナ・マストと屋根馬を設置する
アンテナ・マストとは、縦長で金属製の支柱棒を指します。屋根馬とは、テレビアンテナを支える基礎となる土台のことです。まずは屋根馬を屋根の上に設置します。それによって、テレビアンテナの位置が決まります。特別な理由がない場合、以前と同じ場所に設置する事をオススメします。
1-4. マストにテレビアンテナを仮止めする
まず、テレビアンテナをマストに仮止めします。マストは地面と垂直な状態にします。
1-5. アンテナを垂直方向に仮固定
ステー(針金)を張り、アンテナを垂直方向に仮固定します。ステーがサビなどで劣化していれば、新品のステーに取り替えます。
1-6. 配線を接続する
アンテナに、これまで使用していた配線を接続します。配線が著しく劣化しる場合には、新品の配線に取り替えます。
1-7. 受信の確認作業
レベルチェッカーを使って受信状態を見ながら、テレビアンテナの角度を微調整し、今度はネジをしっかり止めて完全に固定します。
1-8. ステイ(針金)を張り直す
ステイ(針金)は、受信調整中に緩んでしまうことがあります。少しでも緩んだままにしていると、風によってテレビアンテナ全体が傾く原因になるので、必ず事後確認をして、緩みがあればステイを張り直します。
その時、一人がアンテナのマストをしっかり支えながら、もう一人がステイを張る必要があります。つまり、二人で作業する必要があります。ステイを張り直したら、テレビアンテナの修理は完了です。
2. テレビアンテナは自分で修理してはいけない
腕に覚えのある方なら、DIYでアンテナの修理や設置を行うことは可能だと思わるかもしれません。しかし、ご自分でテレビアンテナを修理することは、以下の3つの理由によりおススメしません。
2-1. 高所作業は危険
テレビアンテナは、基本的に屋根の上に設置されています。よって、高所作業となりますので、足を踏み外すなどの危険性があり、しかも屋根には傾きがあるので、想像しているより困難な作業を伴います。思ったようにスムーズに修理できないと考えてもらって結構です。結果、労力と時間を費やすだけで、テレビが復旧する可能性は低いといって良いでしょう。
2-2. 複数による作業が必要
テレビアンテナの修理は、基本的に2人で行ないます。欲をいえば、3人が理想的です。1人での作業は不可能とまでは言いませんが、作業効率が著しく悪くなります。また、家族や友人に万が一のことがあれば、取り返しが付きませんので、オススメできません。
2-3. 屋根が損傷する可能性
屋根に登った経験のない方、または屋根の構造を知らない方が屋根に登ると、瓦やスレートを踏み壊す危険性があり、それが原因で雨漏りになるケースが考えられます。安くでアンテナを修理できたとしても、屋根を修理する必要性が出てくると、逆に費用が数倍掛かってしまいます。
2-4. アンテナ修理のDIY、その結論
以上の理由から、長期的に見た場合、テレビアンテナの業者に修理の依頼をした方が良い選択だと考えます。
3. テレビ端子を修理する方法
ここからは、「テレビ端子の差込不良」と「テレビ端子の取替え」この2つの修理方法についてご説明します。こちらは、DIYが得意な方なら十分に可能ですので、下の説明を参考にトライしてみましょう。
3-1. 差込不良の修理方法
はじめに
ある日突然、今まで正常だったテレビが急に映らなくなってしまった、ということはよくあります。テレビが壊れたのか?それともアンテナがおかしいのか?そう思う前に、確認して欲しい箇所がいくつかあります。
実際に私も映らなくなってしまったことがあり、テレビが壊れたのかと、一瞬慌てましたが、冷静に見ると壁面のテレビ端子にケーブルが接続されていなかった、ということがありました。
そこでこの項目では、テレビの映りが悪いときに、自身でできる対処法についてお話しします。
ケーブルの接続部分を確認する
壁面のテレビ端子から、テレビ背面のケーブル接続部分まで、きちんと同軸ケーブルがつながっているか確認します。主に下の写真で紹介する3か所を確認しましょう。
壁面テレビ端子部分の接続状況
真ん中の部分が壁面のテレビ端子です。黒い同軸ケーブルがしっかり接続されているか確認しましょう。
テレビ背面のケーブル接続状況
下側のVHF・UHFアンテナ入力(地上デジタル放送用)、上側のBS・110度CSアンテナ入力(BS、CS110°放送用)、ともに白い同軸ケーブルがしっかり接続されているか確認しましょう。
なお、壁面の端子は1つだけでしたが、地上デジタル放送とBS・CS110°放送を両方見る場合は、壁面からテレビ本体までの間に分波器を噛ませる必要があります。
分波器のケーブル接続状況
壁面テレビ端子からの同軸ケーブルが分波器にしっかり接続されている状況で、なおかつテレビ本体からの同軸ケーブルはすでに接続されているか確認しましょう。
UHFアンテナにプラスしてBSアンテナが取付されていても、テレビ本体のケーブル接続部分がUHF側にしか接続されていない場合は、BS/CS110°放送は見ることはできません。必ず分波器を通して、テレビ背面2ヶ所の接続部分にしっかりとつなぐ必要があります。
3-2. 取替え方法
同軸ケーブルの構造
アンテナの接続に使用する同軸ケーブルの構造は下記のようになっています。アンテナで受信した電波は、外側の編線組部分を基準として、同軸ケーブルの芯線部分で伝わっていきます。同軸ケーブルをアンテナ部材と接続する場合は、芯線と編線組がショートしないように、しっかりと接続する必要があります。
接続事例1
下記のテレビコンセントは、芯線部分をネジで固定し、編線部分は挟み込んで固定するタイプです。
接続事例2
下記のテレビコンセントは芯線部分を挟み込み、又は巻きつけて固定し、編線部分も挟み込んで固定するタイプです。テレビに付属しているアンテナプラグにはこのタイプが多いです。芯線部分でよく接触不良を起こす事があるので、ご注意下さい。
接続事例3
下記のアンテナ部材は芯線部分を穴の部分に差込み、網線組は挟み込んで固定するタイプです。
接続事例4
下記アンテナ部材は、芯線部分を穴に差込み、編線組部分をネジで固定するタイプです。
接続事例5
下記アンテナ部材は芯線部分、網線組部分共にネジで固定するタイプです。
接続事例6
F型接栓の接続事例です。芯線部分は直接テレビや端子に接続し、網線組部分はF型接栓が差し込まれ、接触しリングによって固定されます。
3-3. DIY時によくある3つの失敗とその予防策
失 敗①:電源をONのまま作業して設定がおかしくなる。
予 防①:機器のプラグや端子は、全部抜いて作業する。
失 敗②:作業中にコーヒーなどをこぼして、ショートする。
予 防②:テレビの半径1m以内に飲み物は置かない。
失 敗③:本来の差込口と端子が、どれだったか分からなくなる。
予 防③:全ての差込口と端子を、事前にカメラで撮影しておく。
4. テレビアンテナと端子、修理費用の相場
電気関係が不得手な方、または触れたことがない方は、テレビ端子の差し直しだけでも街の電気屋さんに依頼した方がよいかもしれません。端子を差す場所を間違えると、録画やチャンネルの設定までもが狂ってしまうケースがあります。
4-1. 街の電気屋さん料金相場
テレビアンテナの交換 | 2.5万~5.5万円(全てコミ価格) |
テレビ端子の修理 | 3,000~1.5万円(全てコミ価格) |
4-2. DIYで修理する場合の部品代
テレビアンテナの交換 | 5,000~2万円 |
テレビ端子の修理 | 0~3,000円 |
5. テレビアンテナの修理は、屋根修理業者に依頼する
テレビアンテナを修理する場合、その業者は電気屋ではなく、必ず屋根修理業者に依頼することをおススメします。電気屋に修理をお願いしても、実際に修理に来るのは屋根修理業者であるケースがほとんどだからです。つまり、電器店に修理依頼すると、取次ぎ手数料(マージン)が余分に掛かるということです。
もちろん修理内容は同じですが、屋根修理業者の立場から考えると、直接連絡をくれたお客様の方を親身になって面倒を見るでしょう。具体的に言うと、テレビアンテナを修理する時、瓦や雨樋なども同時に点検してもらえる可能性が大きいです。
屋根の修理業者と聞くと、悪徳業者だという印象が強く、腰が引けてしまいがちですが、実は簡単な電話1本で優良業者かそうでないかを判断できる方法があります。その方法については「屋根修理の詐欺被害に遭わない、たった1つの確実な方法」で詳しく説明していますので、ぜひ参考にして下さい。
6. 修理費用は誰が払うのか?
ここでは3つの異なるケースごとに、誰が修理費用を負担すべきかについてお話しします。
6-1. テレビアンテナ → 大家さん負担(賃貸の場合)
借家にお住まいの方のアンテナ修理費用は、基本的に大家さんが全額負担します。その理由は、テレビアンテナは住宅設備、つまりは備品となるからです。すぐに大家さん、または管理会社に修理の依頼をしましょう。
※持ち家の場合は、自己負担となります。
6-2. テレビの端子 → 自己負担(賃貸の場合)
テレビの端子は、そのテレビの所有者である、あなたが負担する必要があります。壁面のコンセントも通常の使用では、壊れることはありませんので、ほとんどのケースでは自己負担です。しかし、築年数が数10年以上の古い物件の場合は、経年劣化の可能性がありますので、大家さん負担となる可能性もあります。ダメ元で大家・管理会社に連絡してみるといいでしょう。私なら、ゴリ押ししますが・・・(笑)
6-3. 台風や大雪でテレビが映らなくなった → 保険会社
火災保険に入っている場合、修理費用は完全無料の0円です!その理由は、火災保険にはほとんどの場合、「風災・雪災補償」が自動付帯しているからです。
風災・雪災補償とは、風や雪で家屋が破損した時、保険会社がその修理費用を肩代わりして支払ってくれるサービスです。テレビアンテナも住宅の一部ですから、もちろんその対象内となります。
あなたや大家さんが加入されている火災保険にも、間違いなく風災補償・雪災補償は付いています。つまり、あなたの代わりに保険会社がテレビアンテナの修理費用を支払ってくれるのです。
詳しいことは「必見!火災保険を使って屋根修理を無料で行う方法」に記載していますので、参考にして下さい。「風災・雪災補償」は、屋根や外壁だけでなく、テレビアンテナにも使えます。
また、火災保険を使ってアンテナを修理する方法をマンガにしましたので、以下をクリックして、読んでもらえると理解が早まります。
7. まとめ
テレビが見られなくなった時の対処方法についてお話ししましたが、いかがだったでしょうか?
まず、テレビの端子をご自分で確認し、どうしてもテレビが映らない場合は、業者に依頼してアンテナを点検してもらうと良いです。目視でも、アンテナが傾いていたり倒れたりしていることを確認できたら即、火災保険を使って無料で修理です!
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