雨漏りの応急処置で、まずやるべきことは?
突然、雨漏りがはじまった…。自分で修理しようにもその方法がわからない。しかも業者に連絡しても、なかなか来てくれない。自宅が心配でヤキモキしていませんか?
長時間、雨漏りを放置していると、最悪の場合、屋根が崩落してしまうことがあります。
また、屋根全体に雨水が染み渡り、大量のカビが発生することもありますので、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、健康被害が懸念されます。
そこで、この記事では、自分でできる雨漏り応急処置の方法と、業者を呼ばなければならないケースとその費用。最後に無料で雨漏りを修理する秘密の方法についてお話ししますので、ぜひ参考にして下さい。
目次
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その対策として、下記のことを記事にしてみました。よろしければ参考にしてください。
1. 雨漏りの応急処置前に
雨漏りの応急処置には、家の内部、つまり天井や屋根裏から行なう方法もあります。しかし、その方法では「焼け石に水」だといえます。本気で雨漏りの応急処置を行なうには、家の外部、つまりは屋根に登って、雨漏りの原因を直接確かめる必要があります。まず、最初に屋根に登る際の注意点をお話しします。
1-1. 梯子(ハシゴ)を掛ける位置
梯子を屋根に掛けると、ほとんどの場合、梯子の本体が雨どいに掛かると思います。雨どいが割れないように木材でブロックすると良いです。位置を決めてください。また、梯子がグラグラしないように、雨どいの支持金具と梯子上部を紐で縛ると固定されて安定しますので、お試し下さい。
1-2. 梯子を掛ける角度
梯子を掛ける時の理想的な角度は、ズバリ75度です。45度などの小さい角度だと梯子の足が地面を滑り、最悪の場合、梯子が屋根から落下します。また、85度などの大きな角度だと上っている最中に自分のほうに梯子が倒れてきて転落してしまう危険性があります。最近の梯子には、その側面に角度が分かるようなシールが貼ってありますので、ご確認下さい。
1-3. 梯子の足元
梯子を人間に固定してもらう時には、梯子の内側から引っ張ってもらうのがベストです。また、梯子の下部と自宅をロープで結んで、必ず足元がズレないようにして下さい。そうしないと上記に書かれているように、梯子がズレ落ちる原因になり、大怪我を負うことになります。
また、地面が斜めになっていると梯子が左右に倒れてしまいます。必ず、地面に凹凸がないことを確かめてください。
1-4. 登る際の姿勢
両手両足で、しっかりと梯子を掴んで一段一段ゆっくりと登って下さい。極力、身体と梯子を近づけて登るようにすると、梯子は安定します。屋根の高さまで登ったら、ゆっくりと屋根上に移動します。
ここが一番恐怖を感じる場面です。高所で何も手で掴む箇所がないというのは、私たちでも恐いですし、身体が不安定で危険を伴いますので、細心の注意を払いましょう。
1-5. 十分な長さの梯子
その対策として、屋根の高さまで十分に届く二段梯子をご準備ください。長さがギリギリだと梯子から屋根に移れなくなる可能性があります。せめて雨どいの高さよりも50センチは長い二段梯子をご準備ください。
2. 簡単な雨漏りの応急処置方法
雨漏りの応急処置には、大きく分けて「3つの方法」があります。雨漏り箇所や自分の経験値を考慮して、どの方法がよいか選択しましょう。
絶対にやってはならないのは、無理をして自分で応急処置をしようとすることです。特に雨の日に屋根に登るなどは自殺行為ですので、絶対にお控え下さい。2F以上の箇所での雨漏りや高所に自信のない方は、必ず業者に応急処置を依頼してください。
2-1. ブルーシートを被せる方法
まずは、下記にある必要なものをご準備ください。
■ 手順①:ブルーシート
小さなブルーシートはおススメしません。できれば4畳以上のタイプが良いです。
■ 手順②:土嚢袋(どのうぶくろ)・ウォーターバッグ
大きさは480mm×600mmのものがお勧めです。最低4つは用意しましょう。男性の方でしたら、梯子に持って登れる重さだと思います。
■ 手順③:ブルーシートを被せる
ブルーシートを被せる箇所は、必ず室内に雨水が浸入している箇所より上部に被せてください。雨水の流れや経路を考慮すれば、自然と雨漏り箇所より上になります。
そして極力、広範囲にブルーシートを被せるようにしましょう。一般の方が雨水の侵入箇所を予想してブルーシートを被せると、全く別の箇所になってしまう可能性があります。雨漏りは想定外の箇所から雨水が浸入していることが多々あるのです。
■ 手順④:土嚢袋やテープなどでブルーシートを固定する
土嚢袋(どのうぶくろ)に粗目の砂利を詰めます。決して細かい砂や土を土嚢袋に入れないでください。その理由は雨です。土嚢袋に雨水が含まれると泥水が流れ出て、雨どいや排水溝の詰まりの原因にもなるからです。
また、瓦も泥水を被ることとなり、見栄えも非常に悪くなります。土嚢袋を撤去する際も水分を含んで重くなり、必要以上の体力を消耗することになります。
その他、ブルーシートを固定する方法としては、テープだけで固定するケースもあります。
ブルーシートと屋根の間に僅かな隙間があれば、そこから風が入り込み、ブルーシートが飛んでしまうこともあります。それを防ぐためテープを隙間なく貼り、さらにその上から土嚢袋を載せれば、応急処置としては万全でしょう。
さらに上級者向けになりますが、テープと瓦の併用も考えられます。瓦を重し代わりに利用する方法です。ただし、この方法はあまりおススメできません。屋根の構造や雨漏りになる仕組みを熟知していないと、その瓦箇所から新たに雨漏りが発生する可能性があります。屋根の構造を知らずに瓦に手を加えることは、リスクが大きいと思います。
2-2. 家庭用の粘着テープや防水テープを張る方法
この方法は、トタン屋根・陸屋根の場合に限り、確実に雨水の浸入箇所が判明している場合のみ行なってください。何も判明していない状況で行いますと、屋根がテープだらけになり、見栄えも悪くなりますし、手間も余計に掛かります。
■ 手順①:まずは下記にある必要なものをご準備ください
■ 手順②:該当箇所を掃除します
次に、雨水の浸入口周辺にテープをしっかりと密着して貼れるよう、細かな凹凸を滑らかします。要するに、雑巾などでホコリや砂を拭き取ります。
もし、テープを貼る面に油などが付着していたら、必ず洗剤やアルコールを使って拭き取りましょう。油があると粘着力が著しく低下し、すぐにテープが剥がれてしまい、またもや雨漏りの原因となります。もちろん、水分も乾燥させておく必要があります。
■ 手順③:テープを貼ります
闇雲にテープを貼るのは、良くありません。テープを貼るには原則として順番があります。それは雨水の流れる方向を考えて、下側から貼り始めて、段々と上に向かって貼っていくことです。
最後に、最上段で貼り終えるようにしてください。途中、テープの貼る面に空気などが入らないよう、しっかりと指や工具で押さえながら貼っていくのがコツです。
テープとテープの重なり部分は極力少なくすると、応急処置とはいえ、ある程度は長持ちします。また、あまりにも広範囲にテープを貼ってしまうと、雨水の経路が変わって異なった箇所から雨漏りすることもありますので、適度な範囲で抑えることをおススメいたします。
■ 手順④:後片付け
最後に取り除いたゴミやテープの切れ端などは屋根に放置せず、ごみ袋に入れて処分します。そのまま放置すると、後に雨どいの詰まりの原因になってしまいます。
2-3. コーキングで応急処置を行う方法
この方法も、確実に雨水の浸入箇所が判明している場合のみ、行なってください。判明していない状況で行うと、屋根がコーキングだらけになり、見栄えも悪くなりますし、手間も余計に掛かってしまいます。
■ 手順①:下記の必要なものをご準備ください
■ 手順②:これ以降の工程は、ほとんど上記の「家庭用の粘着テープや防水テープを張る方法」と同じです
ここでは割愛させていただきます。テープをコーキングに置き換えるだけですので、ご理解いただけると思います。
3. 応急処置の費用について
3-1. ブルーシート
ブルーシート | 数百円程度 |
3-2. テープや土嚢袋、ウォーターバッグ
粘着、防水テープ・ウォーターバッグ・土嚢袋 | 数百円~千円前後 |
3-3. 防水コーキング
防水コーキング | 数百円~千円前後 |
3-4. 業者による応急処置
業者による雨漏り応急処置 | 数万円~10万円前後 |
4. 応急処置のデメリット
応急処置のデメリットには3つあります。その3つとは「雨漏り再発」「落下危険」「別箇所での雨漏り」です。それぞれについて詳しくご説明します。
4-1. 雨漏りの再発
屋根の構造や雨漏りの仕組みを理解されていない方が、雨漏りの応急処置を行なうと、全く見当違いの対応をしてしまうことがあります。そう、まるで釣り針を付けないで釣り糸だけで魚釣りをしているかのように・・・。
瓦の下がどのような構造になっているかを把握していないので、やるべき事やポイントが絞れず、適当な箇所、目に付く範囲をとりあえず応急処置してしまうのです。ありがちな例が、2Fの窓や梯子から手が届く範囲だけの応急処置などです。肝心の雨水の進入箇所を応急処置しないと、何の意味もありません。
とりあえず、「雨漏りの再発」と書いていますが、実はほとんどの場合は、再発ではなく、ただ単に雨漏りを止めることができなかっただけです。
応急処置後、たまたま3週間ほど晴天が続いた。そして雨が降ったら、雨漏りして「うわ~、雨漏りが再発した!」と勘違いしているだけです。だから、一般の方が応急処置をしたら、後に雨漏りするのは当然だと思っていただいて結構です。
4-2. 落下の危険こそが、応急処置 最大のデメリット
2F屋根の高さは地上約6~8メートルです。そんな高さからの落下による衝撃は、自動車の交通事故と同程度と言われています。
特に落下による激突は引力の影響で頭部に受ける可能性が高いので、交通事故より危険かもしれません!
若い人の場合、脚や腕などの骨折なら、まだ回復できる可能性がありますが、老若男女問わず、頭部の怪我は脳の後遺症等、あなたの人生そのものを台無しにしてしまいます。これが応急処置、最大のデメリットです。
4-3. 応急処置が別の雨漏りを発生させる
屋根の上で作業する際に絶対にやってはいけないことがいくつかあります。ここでは代表的なことを3つご説明します。
① 屋根材にクギを打ってはいけない
特に棟部付近でありがちなのが、棟板金(三角屋根の頂上部を包んでいる金属板)を固定するのに木部に強い力でクギを打ち込むケースです。クギが木部を貫通して、その下のスレートまで割ってしまい、そこから新たに雨漏りが発生します。
また瓦の下に敷いてある野地板(瓦やスレートの下に張る木の板)にも長いクギを打つと貫通することがあり、これも雨漏りの原因となります。
② 瓦の山部(日本瓦で波型の頂上部)を踏んではいけない
瓦の山部の下は大きな隙間があるため、体重を乗せると瓦が割れてしまいます。もちろん、そこから雨水が入り込み、雨漏りが発生することは言うまでもありません。
③ 雨水の経路に大量のコーキング(ペースト状のノリ)をしてはならない
屋根に大量のコーキングを行うと、雨水の流れが変わり、他の箇所での雨漏りの原因になる可能性があります。屋根は、雨漏りしている箇所だけに穴が開いているわけではありません。今は雨漏りがなくても、屋根は負担が掛かる場所なので、あちこちに穴が開きがちなのです。その穴が雨水の経路になると、新たに雨漏りが始まります。
その他にもやってはいけないことはありますが、この3つに注意を配るだけでも全然違ってきます。ここまで自分で応急処置を行う内容についてお話ししてきましたが、実は屋根上で応急処置をすることは経験豊富でないとできない事が多いのです。
こんな事を言うと実も蓋もないのですが、自分で雨漏りの応急処置を行うと、その応急処置が原因で別の雨漏りを発生させてしまうこともあるのです。
5. 直ちに雨漏り業者を飛んで来させる3つの方法
台風による被害で雨漏りが発生した場合、業者に電話しても「折り返し電話します」とだけ言われて、いつまで経っても連絡が来ないで、待ちぼうけを喰ったことはありませんか?もしくは何度電話しても業者が電話口に出てこないなど・・・
そんな問題も下記の3つの方法で解消されます。今後、大きな台風がやって来ると分かったときは、ぜひ試してみてください。
5-1. 台風ニュースを観たら、すぐに電話連絡をする
実際に問合せ電話が集中するのは、台風通過後、数日経ってからです。台風が来た曜日にもよりますが通常、台風通過後の週末がもっとも問合せ電話が増加します。
その前に調査の予約をしておけば、約束の日時に調査をしてくれますし、雨漏り修理も混雑する前なので、工事も早めに完了します。仮に台風後、雨漏りしなかったとしても、屋根点検を行うことにより安心でき、まさに一石二鳥と言えるでしょう。
ニュースで台風情報を見たら、迷わず業者に電話しましょう!
5-2. 五年に一回程度、屋根の定期点検を依頼する
屋根自体は普段目にすることがありませんので、ついつい点検を怠り気味です。しかし、屋根は雨風を防いでくれる重要な住宅構造の1つです。どこも壊れていないのに点検に来てもらうのは悪いと遠慮するのは、最も雨漏りを誘発させるケースだといってよいでしょう。(見てもいないのに壊れていないとは言えません)もちろん、それは業者にとっても最悪のケースとなります。
その理由は、雨漏り修理業者は屋根を点検しなければ仕事が始まらないからです。雨漏り修理業者の仕事は屋根を点検・調査することから全てが始まります。
また、定期的に屋根を見せることによってその業者の売上も安定化します。雨漏りがなくても定期点検を依頼することが、あなたと業者をウィンウィンの関係にし、いざという時には、素早く対応してもらえることにもつながります。
5-3. 自宅から一番近い業者に依頼する
「どの業者に屋根点検を依頼しようかな・・・」そう思ったら、まずは単純に自宅から最も近い業者に依頼してみるのがよいでしょう。
自宅から業者までの距離が近いということは、交通費や時間が節約できるので、優先的に調査・見積りを行ってもらえる可能性が高くなるからです。
ただし、例外があります。それは業者の中にはその考えを逆手に取って、一番近いから他社には流れないだろうと気が緩み、結果的に雨漏り修理を後回しにされるケースもあります。
6. 業者が応急処置だけをやりたがらない2つの理由
屋根修理業者は、どうして、急処置だけをやりたがらないのでしょう?少しだけ業者の立場になって、その心情を理解すれば、自ずとその理由は分かってくるものです。応急処置をスムーズに進める手助けになるので、下記の2つを知り、業者を上手に誘導しましょう。
6-1. 料金が極端に低いから
応急処置の依頼だけだと、ほとんどが数万円程度の料金にしかなりません。一方、屋根の葺き替え工事だと100万円を超えることも多々あります。その差は100倍になることも。そのため業者は応急処置だけはやりたがりません。
6-2. 雨漏りが再発し、クレームになる可能性が高いから
応急処置だけだと、雨漏りの原因調査まではしっかりとできません。経験と勘のみでコーキング補修をすることになります。口頭で応急処置の場合「雨漏り保障はできませんよ」と釘を刺していても、雨漏りが止まらなければ、やはりと言いますかクレームが付きます。その対応に追われ、通常業務に支障をきたす恐れもあるからです。
特に後者が原因となり、業者は応急処置のみの依頼は受けたくないという傾向にあります。
7. よくある質問
Q:なぜ、業者はすぐにきてくれないの?(お金を払うと言っているのに)
A:人手が足らないからです
業者が中々、来ない原因は、主に台風被害や大雪被害で一気に問合せ電話や調査依頼が増加し、人手が足らなくなるからです。しかし、実はそれは一過性のものではありません。屋根修理業界の特性にもその理由があります。その理由とは業者の総数です。
屋根に上れる業者は、他のリフォーム修理業者(内装・水回り・クロス・電気など)の数と比べて極端に少ないのです。腕のいい真面目な屋根修理業者や雨漏り修理業者となるとさらに少なくなります。
やはり危険な高所作業を伴う業種は、働き手が集まりにくいのです。また、職人は給料制ではなく日給制が多いので、雨天時には現場に入れず、手取りが減ってしまうことが職人の少なさに拍車を掛けています。つまり、屋根修理(雨漏り修理)業界は、慢性的な人手不足なのです。
そのような人手が少ない状況で台風被害が発生すると、一斉に修理依頼が入り、職場がまるで戦争のような騒ぎになります。これは、この業界の永遠の課題といえます。
8. 雨漏りを0円で修理する、秘密の方法
最後に、一番リクエストが多かった、0円の完全無料で雨漏りを修理する方法を記した「必見!火災保険を使って屋根修理を無料で行う方法」を紹介して、筆を置きます。
火災保険を使って、屋根の修理を0円で行うポイントは、「保険の申請を自分でしないこと」「屋根の修理から、保険の申請まで全てやってくれる専門業者に任せること」この2つです。
また、この方法を理解していただくため、分かりやすくマンガにしましたので、以下をクリックして下さい。
9. まとめ
どうやって雨漏りの応急処置を行えばよいか、そしてどのぐらいの出費が必要か、また自分で応急処置をする場合のデメリットの3つについて、ご理解いただけたと思います。
この記事が、ご自身で応急処置を行なうか、業者に依頼するかの判断基準になれば幸いです。
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